高天原温泉
99.7.20 /99.7.18

高天原温泉は秘湯中の秘湯。どういうコースを取ってもたどり着くのに徒歩2日掛かります。ここは周りの縦走路から見て標高が一番低いところにあります。いわば壷の底。わざわざこの山荘に泊まる人は100%温泉目当ての人です。
昔は鉱山の飯場だったとか。小ぶりですがアットホームで気持ちが良い小屋です。食事も見事なもので、たいていの小屋が使う給食のような食器と違い、茶碗や小皿にきれいに盛り付けされて出されます。もちろん内容も充実しています。普通の小屋では小さく仕切られた部屋に詰め込まれますが、ここではひとつの大部屋に皆が枕を並べて寝ます。ひとりの人が鼾をかけば皆が被害者になりますが....。それになんと言っても「ランプの宿」。森の木々に降る雨音を聞きながら、ランプの灯りに照らされて、深い眠りに落ちて行きます。おやすみなさい........

高天原山荘 ランプの宿 露天風呂

温泉は山荘から下り15分の温泉沢河原にある露天風呂。隣には小屋掛けされた女性専用風呂もあります。
訪問したときには突然の土砂降りと高天原山荘に飛び込むのが殆ど一緒。小屋に入ってしまえばこっちのもののはずですが、ここではそうはいきません。秘湯中の秘湯である高天原温泉はこの先、歩いて15分です。13時、14時....まだ雨は止みません。意を決して行くしかない。周りの登山客も同じ気持ちで様子を伺っていたらしく、一人が立ち上がったら次々と後を追い、結局10人のオヤジがゾロゾロと雨具を着込み傘を差し、完全武装で温泉を目指します。
温泉は、白く濁った露天風呂。なんせ土砂降りの雨の中だけあってぬるい!仲良く温まるようにと、唯一温かい場所である温泉引込口を囲み、10人のオヤジが湯船の中を順々に移動します。写真をとる者。ビデオをまわす者。酒を飲んでうなる者。ほとんど慰安旅行気分。見回すと43歳の私が、なんと一番若い。ここはアプローチが長く、情け容赦なく長期休暇をとるオヤジサラリーマンしかこれない所です。



温泉沢から水晶岳Top><山行記録その1><山行記録その2