山行記録その2 温泉沢から水晶岳 |
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1999.7.19 高天原山荘6:10−温泉沢頭10:40−水晶岳12:20−三俣蓮華テント場15:40 |
右小沢出合(赤ペンキ) | |
温泉沢は昨日入った露天風呂の脇を流れる沢で、まずは巨石がゴロゴロする河原歩きから始まります。赤ペンキもはっきり打たれており危険個所はありません。歩きやすいところを選びながら石づたいに右岸、左岸を何度も渡渉します。上手にルートを選べば靴を濡らすことはないでしょう。 |
2400m付近 | |
このロープを頼りに力任せによじ登った瞬間から樹林帯の急な登りが始まります。ここさえ無事通過すれば後は一本道、迷うことはありません。それにしても急な登り、ザックを下ろして休む場所もありません。2400mあたりで森林限界を抜けます。 |
頭から延びる尾根に突上 | |
この先も急勾配は続きます。浮石が多いザクザクの砂地の道で、登りの時でさえズルっと足をとられます。この道は、小雪渓の残る2つのコブを越して温泉沢の頭から西に延びる尾根に突き上げます。 |
雷鳥 | |
この地点から小1時間位、雨が上がりました。今回の山行で僅かに山らしい写真が撮れた時です。 雷鳥のお出迎えというおまけもついてます。温泉沢の頭で今日はじめて登山者に会いました。今朝三俣を発ち、赤牛岳を越えて奥黒部ヒュッテを目指すとか。この赤牛岳へ続く雄大な尾根(読売新道)は魅力的です。来年は是非走破してみたいものです。 |
黒部五郎岳 | 薬師岳 | 赤牛岳 | 野口五郎岳 |
シナノキンバイ | 東沢源頭 | |
さて私は彼とは逆に、水晶岳、さらに三俣を目指します。ここからは一般ルートと言うものの水晶岳まではあまり人が入らない分、道は不明瞭。その上二重稜線の続く判り図らいルートです。特に今日の様な視界の悪い日には赤ペンキだけが頼りです。 |
水晶岳ピーク(視界ゼロ) | 水晶小屋 | |
水晶岳に着いた時には小雨が降り始めました。もちろん展望は最悪。水晶小屋のベンチで昼の弁当をかき込むと、後はただひたすら三俣テント場を目指して急行します。 |
もちろん岩苔乗越経由の最短コースを取りました。それでも黒部源頭あたりで雨は土砂降り。やっとの思いでテントに潜り込んだときにはパンツまでぐっしょ濡れでした。22時ころでしょうか?テントすれすれの上空を飛ぶ、鳥の羽音で起こされました。まるでニワトリが飛んでいるようなジタバタしたものでした。雷鳥に違いないとは思うのですが、持参したランプのぼんやりした明かりではその姿は確認できません。そんな羽音が2度、3度。いつしか深い眠りにつきました。 |
1999.7.20 三俣蓮華テント場8:30−双六小屋10:30−鏡平小屋12:25−新穂高キャンプ場15:45 |
雨の中、朝食を取っているとテントの外から道を聞く登山者がいます。完全武装で小屋を出たのはいいけれど黒部黒部源頭への道がわからず、テント場に迷い込んできたようです。なるほど降り続く雨であちこちに流れが出来、登山道も沢も区別がつきません。去年来たときには槍穂が一望できたのですが今日はせいぜい視界10mといったところです。計画では西鎌尾根から槍を目指すつもりでしたが天候の回復は望めそうもありません。今日中に新穂高へ下山することにしましょう。 |
双六巻道 | |
小雨になるのを待ってテント撤収です。刻はすでに8:30、山で行動開始するには遅い時刻です。 連日の雨で雨具の防水も全く効かない。ただひたすら道を急ぐが、雨も待ってくれない。双六小屋に飛び込んだときには既に土砂降り。しばらく待ったが回復する様子は無い。まだ10時台というのに早々に小屋にチェックインする登山者を尻目に鏡平へ向けて豪雨の中に飛び出した。 |
左俣林道 | |
ハイマツ帯を過ぎ稜線に出ると風も出てきました。弓折岳手前の分岐で主稜線を分け、小尾根を巻くように道は下ると鏡平小屋です。ここも雨宿りする登山者で混雑してりゆっくり出来ません。シシウドが原を過ぎ、秩父沢を渡りようやく左俣林道が見えたころには雨はずいぶん小降りになってきた。 |
ワサビ平小屋とテント場 | |
しばらく林道を歩くとワサビ平小屋に到着しました。ここのテント場も木々に囲まれた快適なテント場ですが地面は既にグシャグシャです。 |
新穂高キャンプ場 | |
更に一足延ばし16時前に新穂高キャンプ場に到着。キャンプ場管理人の好意で屋根の有る休憩所にテントを張ることを許可して頂きました。おかげでその夜の土砂降りにも安心して眠れたのには感謝感謝。 雨にたたられた山行でしたが無事終了です。 |