山行記録その2 仙人谷、水平歩道

7.22
剣沢テント場5:00−6:30真砂沢ロッジ6:40−7:20雪渓崩壊地7:30−8:20二股8:30−11:10仙人池ヒュッテ11:20−13:45阿曽原峠13:55−14:250阿曽原温泉テント場

黎明の剣 長次郎谷出合
今日は剣沢を下る。雪渓に遠慮して、ザレ場の巻き道をトコトコ下って行くが、後から来たアイゼン少女隊に抜かれた。負けてたまるかと雪渓に立つが、ぺっぴり腰は否めない。見る見る引き離されてしまった。アイスバーンで2回ほどこけたが、無事真砂沢ロッジに到着した。行き交う登山者もまばらで昨日までの喧騒が嘘のようだ。

真砂ロッジ直下の穴
真砂沢ロッジ直下で八つ峰側から流れこむ沢の出合いまで雪渓は続いているが、合流点に大きな穴が開いている。この崩壊地は八つ峰側の夏道に取り付くのが正解だが、歩きやすそうなハシゴ乗越側の河原に沿いに下ってしまい、行き詰まってしまった。飛び石伝いに渡れるような場所も無い。意を決して雪解け水の流れる剣沢を膝まで浸かりながら渡渉したが、急流に流されそうになり結構やばかった。

二股
八つ峰側のルートに出ても悪路は続く、へつりに高巻きとまさにアドベンチャー。つり橋を渡り二股に着いた。あたりは巨石がゴロゴロしている。ここから仙人池ヒュッテまでは約500mの登り返しだ。

この登り返しは今回の山行で一番きつい登りだった。汗だくバテバテ超スローペースで登って行く。潅木の尾根道になると雪渓に彩られた裏剣の迫力に圧倒される。仙人池からの剣もすごい。この池の畔には紅葉の秋には多くのセミプロカメラマンが集まり、場所とりに苦労するするそうだ。私は素人に悲しさ。せっかくのビューポイントもコントラストが飛んでしまい駄作に終わってしまった。残念。 八峰 仙人池

稜線から阿曽原温泉を目指し仙人谷を下る。最初の源頭付近はザレ場の下りだがヒュッテの水源付近から雪渓が現れる。所々で崩壊地が現れるが、この先仙人ダムが見える付近までずっと雪渓沿いに歩くことが出来た。おかげで道を見逃し、楽しみにしていた仙人温泉露天風呂は次回におあずけ。雪渓から夏道に取り付きしばらく樹林帯を下って行くとひょっこり阿曽原峠の標識が現れた。雪渓越しに道を間違えながらようやく辿りついた割には結果オーライ。14時過ぎに阿曽原温泉到着。ヒゲ面の小屋番に早く着いたねと誉められながらテント場にチェックイン。

仙人谷 仙人温泉源泉の湯気



7.23
阿曽原温泉テント場6:15−8:05オリオ谷手前の滝8:15−9:30志合谷トンネル9:40−10:50欅平上部11:00−11:30欅平→トロッコ電車

阿曽原温泉を振返る
欅平への道はテント場のはずれから、一旦阿曽原谷に下りまたそれを登り返す。いやあこの登り返しのきつかった。頭には水平歩道のはずだろうとの思いがあるから余計そう感じるのかもしれない。途中同行したオジサンは、昨日途中まで登ったが、いくらなんでも違うだろう。道を間違えたと思い温泉小屋まで戻ってそのまま宿泊してしまったとのこと。送電線の鉄塔まで登るとようやく水平歩道が始まる。

オリオ谷手前の滝 大太鼓付近
水平歩道は送電線の巡視路で、忠実に標高1000mの等高線に沿って進んで行く。特に大太鼓付近では断崖絶壁をコノ字に刻み込んだ道が延々と続く。要所要所に「危険!足元注意!」の標識があるが、その都度遥か下に流れる黒部川との高度感を思い知ることになる。こんな標識は悪い冗談、黙ってくれ。

雪で埋まる志合谷
志合谷を遠望すると水平歩道が雪で埋まっている。どうやってもあんな急な雪渓をトラバスできないぞと近づくと、トンネルを通過するようになっている。僅かな距離と油断してはいけない。トンネル内は曲がっており、見た目の4倍くらいの距離がある。その上足元には冷水が流れ、まるで鍾乳洞の様だ。火照った体には壮快だが懐中電灯は必携。私の電池が切れかかったヘッドライトでは足元がおぼつかず、ステッキで両壁叩きながらヨタヨタと進むことになってしまった。

欅平登山口
ようやく「欅平上部」の標識がある、送電線鉄塔の広場に出る。ここから欅平まで一気の下りだ。駅舎からのアナウンスがやかましい。あっけなく駅舎脇の登山口に到着した。
昨日温泉小屋のオヤジの話からシーズン中は予約客優先で登山者が列車に乗るのには2〜3時間待たされると覚悟していたが、窓口のあんちゃんは、15分後に発車する列車に乗れると言う。欅平に下山したら温泉・ビール・カツ丼と決めていたが、全部すっ飛ばして早々に改札口へ向かった。

トロッコ電車
黒部峡谷鉄道はユニバーサルスタジオの列車の様だ。渓谷に沿ってトンネルと鉄橋を交互に繰り返し、レールを軋ませながら曲がりくねった線路を進む様はまさにインディージョーンズ。アドベンチャーの旅を締めくくるのにふさわしい列車だった。



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