山行記録その2 黒部五郎岳・双六岳

2000.7.21
太郎平テント場4:30−4:45太郎平小屋5:00−7:00北の俣岳7:15−7:40赤木岳通過後の雪渓8:10−11:00黒部五郎岳肩(黒部五郎頂上ピストン)11:40−12:00カール水場13:00−14:00黒部五郎テント場

太郎山後の池塘
太郎平を発って黒部五郎越え三俣蓮華へ。20年前に妻と一緒に歩いたコースです。途中の雪田に誘われて(バテバテで?)大幅に時間オーバー。目標の手前、黒部五郎でテントを張ってしまいました。
太郎小屋から薬師沢への道を左にわけ、道は太郎山をなだらかに登ります。登りきると、尾瀬を思わせるような池塘群が現れます。写真では見えませんが遠く白山が見えます。コバイケイソウは葉っぱだけ、今年ははずれ年なのでしょうか?

朝日を浴びる北の俣岳 北の俣と黒部五郎
黄金色にそまる朝焼けのなか北の俣岳の登りがはじまります。道は歩きづらい溝の中を進みます。2576m小ピークを過ぎると展望は一変し、朝露に光る赤木平や、雪田の向うに北の俣・黒部のピークが現れます。

神岡新道分岐 北の俣岳頂上北の俣岳頂上
なだらかな雪田を横切り、神岡新道の分岐を右にわけると北の俣岳のピークに到着です。ここまでは太郎小屋からピストンの登山者も多く結構賑わっています。

赤木岳直後の雪田 黒部五郎 北の俣から中俣乗越まで赤木平側をまきながら小ピークをいくつか越えて行きます。今年のように残雪の多い時には、足場の悪い山道よりも雪の上を進むのも良いでしょう。随所にビバークサイトが現れます。赤木岳直後のコルにある雪田脇はお勧めです。
中俣乗越から一段上ると、黒部五郎がど〜んと現れます。砂礫のザレ場をジグザグに、今日一番の急登です。お花畑や雪田で遊んできた身にはこたえます。

黒部五郎頂上
バテバテで肩に到着。ここでルートは頂上経由の稜線コース/頂上ピストンのカールコースに二分します。私は当然ピストンコース。五郎の頂上はガスのなかで何も見えません。時刻は正午。さあて三俣蓮華越えはあと4時間コースだし、天気も下り坂だし....。言い訳はいくつも見つけられます。今日のテント場は黒部五郎と決めると後は気楽なものでカールの中、大休止の場所を探します。

カールから見たピーク 雷岩
カールに下り、地図に水場とあるあたりでしょう、豊富な残雪の一角から雪解け水が噴き出しています。周りの大岩は雪に浮かぶ島のようです。そのひとつに駆け上がり「トガゲ」を決め込みました。雪解け水でコーヒーを沸かしビスケットやプラムを食べしばし至福の一時です。

黒部五郎小舎
黒部五郎小舎は黒部五郎と三俣蓮華のコルにあります。正面には雲の平、薬師。後には笠が岳と景色は最高です。いつもは静かな小舎ですが、今日は大盛況。夕方になっても次から次にたどり着く登山者のため部屋割りが出来ないとかで前の広場は泊り客であふれていました。なんでも一畳に2.5人だったらしいです。

黒部五郎テント場
ここのテント場は小屋から2〜3分、笠方面に歩きます。眺望、水場(小屋と流水)は良好ですが、トイレが最悪。小舎の一角に有るトイレを借りるのですが、照明が無くきたないし、目が痛くなるくらい臭かった。



2000.7.22
4:40黒部五郎−7:00三俣蓮華岳ー8:30双六岳−9:30双六小屋10:00−11:30鏡平11:40−15:00奥穂高温泉16:35−17:20平湯17:25→新宿直行バス−22:00新宿

三俣蓮華岳 三俣蓮華岳山頂
三俣蓮華への道は小舎のトイレ脇から樹林帯のなかに入って行きます。石がゴロゴロした急な登りです。稜線に出ると朝日の中、一瞬三俣蓮華の山容が見えましたが、すぐにガスに包まれてしまいました。
ようやくたどりついた三俣蓮華山頂は強風吹くガスの中。

双六岳頂上でも状況は一緒です。正面に槍がそびえる雄大な展望も今日はガスの中です。周りの登山者もご同様とみえてお互い証拠写真を撮りあって早々に退散です。
しばらく下ると先行していた登山者が戻ってきました。途中に急な雪田があり迂回路を使って下るしかないとのこと。そう言えば途中、そんなことが書いてあったなと一緒に標識まで戻りました。
双六岳山頂 双六下りの標識

雷鳥その1 雷鳥その2
遠回りさせられて、なんだか損をした気分を和らげてくれたのが雷鳥です。最初は小屋水場の雪田付近で頭の赤い雄と、次は双六テント場の真中で、まだ好奇心旺盛な雛鳥と出会いました。一応写真に収めましたが、連写のきかないデジカメでは満足行く写真は撮れませんでした。

双六小屋のテント場には、テントが5〜6張りあったでしょうか。おりからの強風で半数は倒れていました。さて、時刻は10時、槍に向かっても良い時間帯ですが、こんな悪天候のなかせっかくの西鎌尾根を歩くのは気が引けます。休暇はまだ一日ありますが、さっさと新穂高温泉郷に下山することにしました。

鏡平
弓折岳に続く稜線は槍〜穂高が一望できる展望コースのはずですが、昨年同様何も見えません。なんでいつもこうなんだとボヤキますが、いつもエスケープルートに使うわけですから、しょうがないと諦めて先を急ぎます。双六小屋で雨具を着込みましたが、おかげで全身汗だくです。鏡平もガスでごらんのありさまです。

シシウドヶ原からはガスも切れ、蒲田川河原が見えました。今までの夏道が残雪に隠れているためか?樹林帯に無残にも新しい道が出来ていました。これを敬遠して雪渓沿いに下りました。スプーンカットの雪面を踵を利かせて下ります。涸れ沢に入りしばらく行くと左から来る一般道に合流します。

雪解け水の秩父沢を越すと林道まで残り僅かですが、合流点に例年に無い大規模なデブリが残っていました。

奥穂高温泉郷
ここから奥穂高温泉郷への林道歩きは一時間少々です。途中ワサビ平らで名物の「ひやむぎ」を食べたりのんびり下りました。新穂高温泉バスターミナル脇にある無料浴場で一汗流し、今回の山行は終了です。お疲れ様でした。

平湯バスターミナルには新穂高から高山バスセンター行きバスで約30分。松本、上高地に向かう人はここで乗換えます。今回は幸運にも新宿行き定期直行バスに乗り込むことが出来ました。このバスは車内にトイレ完備、お茶自由、ドラーバーはユーモアたっぷり、座席が通路側にスライドする新車体。新宿から乗車する時にはJR新宿駅横の高速バスセンターから乗れる。等など「さわやか信州号」を上回るものです。打倒アルピコ。濃尾バス恐るべし。(濃尾バスhttp://www.nouhibus.co.jp/index.html




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