槍・高天原・笠ヶ岳縦走 山行記録その2

7月21日 5:50高天原山荘−7:30水晶池−9:30岩苔乗越−10:30黒部源頭−12:30三俣蓮華の肩−14:10双六小屋

雨こそ降っていませんがどんよりした曇り空。今日の写真は殆どボツです。昨日の10人のオヤジはそれぞれ思い思いのルートを目指し発って行きました。2日間一緒だった赤シャツの爺様は今日は太郎平まで行くとのこと。どこまでも元気な人です。
私はもうひとつの目的地である笠が岳を目指し、途中の双六小屋を目指します。もと来たコースを逆戻りするわけで少々無駄なコースです。昨日の悪路に懲りて岩苔乗越から黒部源頭へ向かうコースを採りました。乗越のツメは、きれいな清流沿いに登ります。あたりは一面御花畑。黒部五郎岳カールに匹敵する美しさです。ついつい昼寝でもしたくなりますが、あいにくの雨模様、今日はひたすら目的地双六小屋を目指します。

岩苔乗越 源頭から黒部五郎岳

双六小屋に到着しました。今日は雨具を脱いだり着たり忙しい一日でした。
山小屋では部屋割りや食事のテーブル割りの時、単独行者同士を一まとめにして案内する傾向がある様です。挨拶代わりはじめた天気の話も、気がついたら酒盛り。この山域は長期滞在型のベテランが多いので話のネタは尽きません。特にこの小屋は談話室があるので他の登山者に気兼ねすることなく盛り上がってしまいます。よく単独登山はさみしいでしょうと言われますがとんでもない。パーティ内でこじんまりまとまるより、酒代はかさみます。ちなみにカンビールは¥500、ロングで¥800とちと高いですが、ダバコは下界と同価格¥230です。



7月22日 5:00双六小屋−8:00秩父平−9:30笠新道分岐−10:45笠が岳山荘

双六小屋前から
今日のコースは小さなアップダウンを繰り返すのんびりコース。台風の影響が心配されたがどうしてどうしてなかなかの天気です。鷲羽をバックに証拠写真を撮って出発です。

槍穂の稜線 笠ヶ岳
稜線に出ると槍〜穂高連山の迫力ある稜線が迫ってきます。また振返ると薬師から剣までのびやかな山並みが一望に見えます。鏡平への道を分け、どこがピークははっきりしない弓折岳を通過します。秩父平は今年のような雨量の少ない夏でも小沢には清流が流れていました。

笠新道の分岐を越え、抜け戸岩を過ぎると笠が岳山荘はもう直ぐ。テント場わきの巨岩が転がる道を進みます。無理すれば今日中に下山出来る時刻、どうしようか迷いながら笠が岳山荘に到着しました。この山荘は木の香漂う、今年新築したピカピカの山荘です。即チェックイン。
空身でのんびりとピークを目指すします。笠が岳の秀麗な姿に比べるとそのピークは狭苦しいところ。かえって直下の播隆平の方がお勧めかもしれません。
この山荘に宿泊するなら、無理を言ってでも穂高側の部屋です。フトンの中から絶景が楽します。夜になると穂高山荘のかすかな明かりが遠望されます。

笠ヶ岳 笠ヶ岳山頂 播隆平



7月23日 5:00笠が岳山荘−6:00笠新道分岐−6:30杓子平−9:00新道入り口−10:00新穂高温泉郷

日の出
まだ暗いうちから、カメラマンが山荘前の広場を賑わせています。この時期は槍の穂の横から太陽が登る感動的なシーンが撮れるとのこと。朝日の中を、横浜のAさん同行で、いざ下山。Aさんは年のころは私より5つ程先輩だろか?今回の山行で三俣、高天原、双六、笠と同じ小屋に泊まりました。一人歩きで困ることは自分の写真が少ないことですが、Aさんとはお互い10枚くらい撮り合ったかもしれません。もっとも、「写るんです」派の私にはAさんの一眼レフはちょっと荷が重かったですが....。

思い出の詰まる昨日までの山並みを惜しみながらゆっくりゆっくり1時間ほど戻ると、笠新道の下りが始まります。切り立ったカールの底にまっさかさまの下り。ザックを落とせば200mは止まらないでしょう。下りきると杓子平。このあたりが森林限界で、この先は樹林帯に入ります。コースタイム3時間の一気の下り。この急坂は登りコースに採るのは自殺行為です。木々の合間から見える穂高の稜線が見る見るうちに高くなります。下りはいつもそうですが、川音が聞こえてからが長い。そのうち堰堤工事のダンプの音も聞こえてきますが、まだまだ下りは続きます。
やっとの思いで林道に出ましたが、今までの山道と感触が異なり歩きにくくて堪りません。その上ダンプが行き来し煩わしい。こんな人家の無いところに堰堤を作ってなんの意味があるのだろう。二人でブツブツ言いながら新穂高温泉郷にゴールイン。
バスで新穂高温泉−平湯乗り換え−上高地へでました。予約していた「さわやか信州号」に乗り込みます。休日前の木曜日であった車内は乗客5人+運転手2人のガラガラ。おそらく飛び込みでもOKでしょう。新宿到着20:00。ひさしぶりの山旅もこれにて終了です。





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