があ〜ん。晴れている。昨日雨の中八ヶ岳から下山して、夜遅くまで濡れたテントやシュラフをベランダに干し、明けて今日の日曜日はショッキングな天気だった。これならもう一泊粘るんだったと、恐る恐る長野県のYahoo天気を覗くと降水確率10%。おいおい一昨日は70%だったぜと文句を言っても後の祭りだ。 |
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山行記録 | ||
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2005.6.11 赤岳鉱泉500−650硫黄岳山荘705−750横岳−910地蔵の頭−945行者小屋−1010赤岳鉱泉1140−1315美濃戸1325−1415美濃戸口1448++++1540茅野 | ||
美濃戸までくると雨足が強くなった。このあたりで泊まっても思ったが、今日中に赤岳鉱泉に入れば明日が楽になる。黙々と北沢を林道沿いに進んだ。林道終点で沢の対岸に渡ると登山道が始まる。 ふと前方から視線を感じると、登山道の脇でかもしかがじっとこちらを凝視している。彼はしばらく立ち尽くしていたが、ふと横を向きこちらを無視するように悠然と草を食み始め、二度とこちらを向いてくれなかった。我に返ると小雨降る夕暮れ時、あたりには登山者の影は見えない。慌てて熊よけの鈴を取り出した。 |
かもしか | |
赤岳鉱泉には沸かし湯だがお風呂がある。ザックをテントに放り込むと、雨具のまま風呂をもらいに行った。この土日の予報は降水確率70%とあって、小屋の中はがらんとしている。聞くと今晩の宿泊客はおばさんが一人だけらしい。もちろんテント泊は私一人。 テント場代\1,000/人 入浴料¥1,000 ちょっと高めだが、テント場代にはチップトイレ使用料が入っている。嵐の際には避難出来そうな立派なログハウス風建物で、水洗なのはもちろん温便座だったのにはビックリした。お風呂も今日は貸切、長湯をして十分元を取った。 |
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赤岳鉱泉 | 食堂 | 風呂 |
雨は一晩中降り続いていたが、最近テントやシュラフを買い換えて以来、初めて雨中のテント泊を実験したと思えばどうということもない。 翌朝、雨はおさまったが、上空はどんよりした厚い雲に覆われている。これからテントを撤収して稜線を縦走する気分にはなれない。手軽な横岳周遊コースに目標を定め、サブザックを背負ってテントを飛び出した。 硫黄岳の登りは展望の無い樹林帯が続くが、僅かな切れ目から阿弥陀が見えた。普段ならボツになる写真だが、今回唯一山岳展望らしい写真なのでしかたなしに掲載した。 |
硫黄登りから阿弥陀岳 | |
硫黄岳に立つのは数年前にWebを開いて以来3度目だが、主峰赤岳や阿弥陀岳の迫力ある姿を撮ったためしがない。もっとも3回とも訪れたのが、入梅直前ではしょうがない。その中でも今回は視界10mしかない最悪の天候だった。横岳方面に向かうには、モンスターのような不気味なケルンだけが頼りだ。降り出した雨そのものはたいしたことが無いが、信州側から吹き付ける風が強くガスが顔に吹き付ける。硫黄岳山荘の前で雨具を着込み、これからの横岳の悪場にそなた。 横岳稜線は梯子やクサリ場が続き、こんな悪天候では頼まれても行きたくないところだが、それを補って余りある高山植物の宝庫だ。とくに今年は例年より開花が二週間ほど遅いようだ。希少種のツクモグサやチョウノスケソウが丁度見頃だった。逆にありふれたハクサンイチゲが殆ど見られなかった。いつもと違った顔を見せてくれて大満足。もっとも水滴で花びらの輪郭が崩れたいした写真は取れなかった。それだけに翌日晴れた天候が恨めしい。 →お花畑 |
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硫黄岳ケルン | 硫黄岳山荘 | 横岳 |
地蔵尾根、行者小屋から赤岳鉱泉に戻った。まだ雨は続いている。ここでもう一日停滞する手もあったが、天候の回復は無理と思いテントを撤収してとっとこ北沢を下った。 美濃戸口の八ヶ岳山荘はお勧めだ。 日帰り入浴、仮眠室、宅配便がある。これならザックを事前に送って、出張先から夜中にスーツ姿で駆けつけてもOKだ。 |
八ヶ岳山荘 | 風呂 |