|
2008.10.10
羽田6:55−8:55鹿児島空港9:00−(ANA)−9:45鹿児島10:20−(高速船トッピー)−13:00安房13:30−(路線バス)−14:20紀元杉14:25−14:40淀川口14:55−15:25淀川小屋 |
高速艇から桜島 |
|
|
永年勤続で貰った旅行券が若干残っている。今月中に使用しなければ只の紙切れになってしまう。十月の三連休の前後に年休を足して、屋久島〜開聞岳〜韓国岳の鹿児島遠征を企てた。ついでに小倉に住む息子にも会ってこよう。
まずは鹿児島から高速船で目指せ屋久島! |
|
森の陽だまり |
安房港から、街中にある安房バス停までは徒歩15分。更に機内持ち込み禁止のカスコンロを調達しなければならない。事前にWebで調べておいた「森の陽だまり」で無事にゲットできた。ほっとして、バス停で一服しているうちに紀元杉行きのバスがやってきた。 |
|
紀元杉バス停 |
|
|
羽田を朝一番に発って、高速船、路線バスを使えば、その日のうちに淀川小屋に入ることが出来る。それにしてはバスの乗客は私一人と寂しい限りだ。一般には初日は民宿に泊まり、翌日からレンタカーで観光というのがお決まりのようだ。私のように何処にも寄らず、セカセカと無料の無人小屋を目指すのは貧乏くさいってか? |
「終点、紀元杉です。」の運ちゃんの声にファイト一発降り立ったが、唖然。何も無いバス停だ。およそ観光地とはかけ離れている。登山口の淀川口までは更に舗装道路を30分ほど歩かなければならない。まだ15時前だが、どんよりとした曇り空で日暮れ時のような暗さだ。
|
淀川口 |
淀川小屋 |
|
|
登山道を30分ほど歩いて淀川小屋に到着した。ログハウス風の小奇麗な小屋で内部は背の低い2階建て。詰めたら40〜50人は泊まれるだろうが、今晩泊まるのは私と長崎から来た単独の方と2名だけだった。
|
|
2008.10.11
淀川小屋6:20−7:35花之江河7:40−8:10投石平8:15−9:00最終水場−9:35宮之浦岳9:50−10:00焼野三叉路−10:25平石岩屋−11:05第一展望台−11:20新高塚小屋11:25−12:10高塚小屋−12:15縄文杉−13:20大株歩道入口13:40−14:30楠川分れ14:35−15:30辻峠15:45−16:00白谷山荘
|
淀川小屋直ぐに橋を渡る |
|
|
6時頃ようやく空が白んできた。パッキングを済ませ、テラスでコーヒーとビスケットの簡単な朝食を摂りさあ出発だ。昨日は気が付かなかったが小屋の裏に清流が流れている。この橋を渡るところから今日一日が始まった。樹林帯を黙々と登って行く。ルート上には白っぽい花崗岩の砂礫が散らばっており、まだ薄暗い割には道を拾い易い。 |
|
花ノ江河 |
雨は降っていないのに、時折パラパラと水滴が降って来る。どうやら木々の枝葉に溜まった昨夜の雨が風に吹かれて落ちているようだ。この森全体が大きな保水力を持っており、いたるところに湧き水がある。
花之江河に出ると湿原の向こうに黒味岳が広がっていた。この時期は何の花も無かったが、シーズンにはいろいろな花が咲くのだろう。この湿原には5つのルートが合流する。道標をしっかり確認して宮之浦岳を目指す。 |
|
投石平から投石岳 |
|
|
再び樹林帯の道が続く、途中左に黒味岳へのルートを分ける。立ち寄っても良かったが、1700m辺りで雲を抜けたようで上空には青空が広がっている。その景色を思い描き、ワクワクしながら先を急ぐ。巨石の隙間に10人は泊まれるような投石岩屋を過ぎると、岩の堆積する投石平だ。正面にで投石岳を見ながら一休み。 |
投石岳付近から宮之浦岳 |
翁岳手前から宮之浦岳 |
|
|
|
最終水場 |
地図を見ると稜線上に安房岳、翁岳等のピークが繋がるがルートはその山頂を避け、中腹を巻いている。周囲の木々も背が低くなり、この先は頭を僅かに雲に隠した宮之浦岳を眺めながら、稜線漫歩が続く。山頂までラスト30分辺りだろうか、最終水場が現れる。これほど水の豊富な山域は他に知らない。 |
|
まん丸の巨石 |
山頂直下 |
|
|
宮之浦岳山頂付近は長年の侵食に取り残された巨岩がゴロゴロしている、さながらストーンサークルのようだ。1935mは九州一の標高を誇りグルリ360度の視界が広がる。雲を突き抜けた山頂部はどこまでも青い空に覆われていた。
先着の夫婦連れと情報交換。昨日泊まった新高塚小屋は暗くなっても続々と登山者が到着して大賑わいだったそうだ。やはり荒川口から登る登山者が多いのだろう。新高塚小屋・高塚小屋は敬遠したほうがよさそうだ。予定を変更して一気に白谷山荘まで飛ばすことにした。
|
縦走路を振り返る |
山頂の証拠写真 |
|
|
山頂の展望を楽しんだら、さあ下山だ。行く手の尾根は雲の下に沈んでいる。あそこまで行ったらカメラは仕舞ったほうがよさそうだ。出来るだけゆっくり歩いてこの展望を満喫しよう。正面には宮之浦岳とは対照的なアルペン的山容の永田岳が聳えている。何処に道があるのだろう。とても登れそうも無い。眺めるだけでよしとしよう。
|
この先の縦走路は雲の下 |
分岐から永田岳 |
|
|
平石から宮之浦岳 これが見納め |
|
|
下り道をぐんぐん飛ばしているうちに平石と呼ばれる辺りから雲の領域に入ってきた。そろそろ宮之浦岳も見納めのようだ。雲の中に突入したようで、まだ昼前なのにあたりは夕暮れ時のように薄暗くなってきた。
ガスの中でカメラも用無しかと思ったら、ヤクシカが頻繁に出没して大忙し。後にまとめて掲載する。
|
新高塚小屋 |
高塚小屋 |
|
|
新高塚小屋、高塚小屋に立ち寄った。三連休の初日とあって今晩は特に混雑するだろうが、さすがにまだ誰もいない。2つの小屋とも若干のテントサイトがある。水場も近い。マナーよく利用すれば快適な小屋だろう。さて高塚小屋でちょうど昼時だ。白谷山荘まで足を伸ばしても16時頃には着けるだろう。 |
縄文杉 |
|
|
高塚小屋からものの5分で縄文杉に着いた。樹齢7000年、気が遠くなるような古木だ。写真では静かな神秘的なたたずまいだが、こちらの見物用のデッキは観光客の波でごった返していた。まるで岳沢を下って河童橋にたどり着いたと同じ雰囲気だ。屋久島を訪れた観光客の多くはここを目的に訪れるのだからしょうがないが、道幅の広いトロッコ道に出る一時間あまり、多くは語りたくない。 |
大株歩道入り口 |
楠川分れ |
|
|
前を行くハイカーに難渋しながら大株歩道入口に着いた。トイレや水場もあり一息入れる。ここからのトロッコ道は思ったより道幅も広く快適な道だった。このまま荒川口まで下ってバスで安房まで下ることも頭に浮かんだが、清貧な山登りに徹する私(単なる貧乏なサラリーマン)は、民宿やホテルに泊まるわけには行かない。楠川分れから辻峠を越え無人小屋の白谷山荘に向かおう。 |
ここ登り返しはきつかった。コースタイム一時間を3ピッチで、峠に到着した時にはヘロヘロだった。予定にあった峠から太鼓岩に登る案などまったく頭に浮かばなかった。
意外なことに、この白谷雲水峡ルートにも観光客がいる。どうやら最近売り出し中の「もののけの森」が目玉らしい。と言っても看板とベンチがあるだけの薄暗い広場でしかない。これを目当てに駐車場から2時間掛けて登ってくるのだから大したものだ。
途中で、ヒメネズミを見た。可愛らしい親指大の小さなネズミだった。写真に撮ったが暗い中でぶれて写っていなかった。残念。 |
もののけの森 |
|
白谷山荘 |
|
|
16:00白谷山荘にゴールイン。少々荒れているが広い。8畳間程の板の間を貸切で使ったが、他に10人ほど泊まれる2段ベットの部屋が2間あり、真ん中には炊事用の板敷き広間がある。ここまで使えば50人は軽い。この晩は私の他に明日新高塚小屋を目指す6名、計7名の宿泊だった。ここはお勧めの穴場だ。 |
|
|
2008.10.12
白谷山荘6:30−7:10白谷雲水峡9:00−9:30宮之浦港10:35−12:30鹿児島 |
白谷雲水峡からの始発バスは9時なのでもっとゆっくり出ても良かったが、根っからの貧乏性が災いして7時過ぎにはバス停に着いた。おいおい2時間も待つのか?コンロでコーヒーを沸かしても待ち時間は縮まらない。
早朝から次々と車が上がってきて、8時には100台以上停められる駐車場は埋まってしまい、路肩に車が並びだした。見るとほとんどがレンタカーだ。シーズンには鹿児島から出稼ぎに来る車もあるという。
|
|
|
|
今日中に開聞岳を制覇する野望を胸に、トッピーに乗り込んだ。駆け足の屋久島だった。なんでこんなに貧乏性なのだろう。こればっかりは直りそうも無い。 |
|
|
|
高山植物 |
リンドウ |
ウメバチソウ |
|
|
|
|
動物達 |
平石から新高塚小屋の間でヤクシカやヤクザルに出会った。雲の中に突入したようで、まだ昼前なのにあたりは夕暮れ時のように薄暗くなってきた。北アルプスなら雷鳥が出てきそうな空模様だが、ここではヤクシカだ。茂みの中から飛び出したコジカが、出会い頭にびっくりしたように脇をすり抜けて行った。びっくりしたのはこちらだ。たいていは家族連れで活動しているようで、ゾロゾロと現れる。こちらが一人だと舐めているのだろう。
|
ヤクシカ 平石付近
ず〜うとこちらを見つめていた |
ヤクシカ
こちらをまったく無視 なめている |
|
|
ヤクシカ
お尻が白い
どこまでついてくるんじゃい |
ヤクシカ
登山道の水溜りで泥遊び
どいてくださいとお願いしてどいてもらった |
|
|
ヤクシカ 新高塚小屋前で
奥さんと子供と3人連れだった
昼食後のうたたねか?まったく動かない |
ヤクサル
登山道の真ん中で車座になり密談中 |
|
|
|
|
屋久島を歩いて気になったことがある。一般登山者を引き連れて歩くガイド連中の傲慢な態度。アップするのは大人気ないと思って控えていたが、同じような体験をした人が他にもいることを知りあえてアップする。私のようなガイドに頼らない一般登山者を敵視しているとしか思えない。道を譲らない、気に沿わないと手を出す。縄文杉からの下り道、10m程の梯子をめぐり、「上り優先を無視した」としてガイドに突き飛ばされた。たしかにルートは下りだが、梯子を下から登ったのはこちらの方だ。スポンサーにならない一般登山者はガイドにとって目障りな存在なのだろうか。自然豊かで好印象だった屋久島に住む人間に対する印象は極めて悪い。
|