焼石岳は最寄バス停から登山口へのアクセスが長いことから、長年プランを温めていたあこがれの山だった。昨日の岩手山に続き、レンタカーを使った東北遠征2日目はこの焼石岳だ。胆沢側からの登山コースは中沼コースとつぶ沼コースがある。中沼コースの方が歩く距離が短い分、利用者が多いようだが、普段運転をしない私は、そこに至る細い林道をきらい、つぶ沼コースに廻った。つぶ沼には広い駐車場があるが、登山者の車は一台も停まっていなかった。昨日の登山者カードを見ると2パーティが入山していた。もちろん今日は私が最初だ。出だしから熊除け鈴を出して恐る恐る歩き出した。
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登山口
(駐車場から200mほど先にある。
駐車場脇にあるのは直ぐに行き止まり) |
石沼 |
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下界は胆沢ダム建設で騒がしいが、一歩山中に入るとまったく人の手が加わっていない自然林が広がっている。ハルゼミがわんわんと鳴く中を一人で歩いていると、いつしか森に同化して吸い込まれて行くようだ。
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つぶ沼、中沼分岐
道が雪で塞がっている。やむなく湿原を横断。 |
銀名水 |
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石沼を過ぎ、そろそろ中沼分岐に差し掛かるころだ。程なく小湿原の向こうから人の話し声が聞こえ、木々の向こうに中沼からと思われる登山者の姿が見えた。エアリアマップにはこの分岐注意とあるが大袈裟な表記だな、と進んでゆくと、あれ〜!道が消えた。いや登山道を正面の雪壁が塞いでいる。これには進退窮まってしまった。前後を偵察したが、他にルートは無い。やむなく湿原の縁を水芭蕉に謝りながら中沼コースに合流した。なるほど逆コースだったら絶対に判らない。
中沼コースに合流すると、とたんに登山者が多くなり前後を挟まれる。これまでの静寂が嘘のようだ。ペースを乱されるのを嫌い、途中現れる小湿原で花の写真を取りながらやり過ごす。上は銀名水の写真だが、下山時にはツアーの団体客が休憩中で腰を下ろすところさえ無かった。さすが花の百名山だ。
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銀名水避難小屋 |
珍しく窓が一杯あり明るい内部 |
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銀名水避難小屋は、その名の通り銀名水の直ぐ先にある避難小屋だが、コースから右手に離れた高台にあり、行きには何処にあるのか判らなかった。2階建てで20名くらいは大丈夫。避難小屋にしては窓が一杯ありフラッシュ無しでも写真が撮れた。
銀名水を過ぎると雪渓の登りが始まる。幾つかの小雪渓を横断しながら徐々に高度を上げてゆくと山頂部の広々とした台地に飛び出した。焼石岳はどこだろうか?どうやら正面の小ピークのようだ。この付近では一番高いピークのようだが、迫力に欠ける。左手の雪渓を抱いた横岳の方がどっしりしている。
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いくつか雪渓を横切る |
山頂部の台地に出た 正面が焼石岳 |
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ここまでも水芭蕉やキョウリンカなど湿性の高山植物が勢ぞろいして写真を撮るのに忙しかったが、ここからはハクサンイチゲ、チングルマ等、北アルプスでは2500m付近で見られる高山帯のお花畑が現れる。きつい登りが少ない割りに、これだけの植物が見られるとは人気が高いのもうなずける。姥石平で東焼石岳への分岐を見送り、数分先に行くと泉水沼だ。ベンチがあり絶好の休憩ポイントだ。水面にヒナザクラが可憐な姿を映している。
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姥石平分岐 |
泉水沼 |
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ベンチにザックを置き、カメラだけ持って約一時間掛けて焼石岳を往復した。往復だけだったら30分あれば充分だろう。途中、横岳への道に少し踏み入った。コースから外れているため人気が無いが、花の密度は今回の山行で随一のもの。ミヤマシオガマの濃いピンクが風に揺れている。焼石岳から西に伸びる稜線は、雪渓にきれいに飾られている。残念ながら道は無いが、あの雪渓の周囲には見事なお花畑が広がっていることだろう。
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横岳 |
焼石岳西稜 |
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焼石岳山頂 |
焼石山頂は360度の展望をもつ広い山頂だった。高曇りの天気で鳥海山や早池峰も見えてるのだろうが、薄ぼんやりとして判らなかった。
東成瀬から焼石沼を経るコースの登山者も結構多いようだ。次回は東成瀬側から栗駒と組み合わせるのも面白いかもしれない。季節はやっぱりこの時期が一番だろう。
つぶ沼に戻り「ひめかゆ」で一浴し今回の遠征を締めくくった。 |
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焼石岳 2007.6.23
お花畑 |
ギョリンソウ |
ズダヤクシュ |
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ツクバネウツギ |
ウスバスミレ |
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ミズバショウ |
タニウツギ |
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マイズルソウ |
ミヤマスミレ?(スミレは自信が無い) |
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チゴユリ |
サンカヨウ |
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リュウキンカ |
リュウキンカ |
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ミヤマカタバミ |
シラネアオイ |
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ミツバオウレン |
(トウゴク)ミツバツツジ |
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オオバキスミレ |
ショウジョウバカマ |
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イワカガミ |
ハクサンイオチゲ |
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イワイチョウ |
ミヤマキンバイ |
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ミヤマダイコンソウ |
ツマトリソウ |
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ハクサンイチゲ |
ハクサンイチゲ |
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チングルマ |
チングルマ |
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ゴゼンタチバナ |
ミヤマシオガマ |
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タカネスミレ |
イワベンケイ |
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ムシトリスミレ |
ユキワリコザクラ |
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ヒナザクラ |
ヒナザクラ |
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ヤマザクラ |
タムシバ |
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