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快晴の金曜日、待ってましたとばかりに甲府某社へ出張です。もちろん手にはアタッシュ、背にはザックを背負っての出張です。今回は迷いに迷って北アルプスやら八ヶ岳やら5枚のMapを持って家を出ました。天気予報では何処に行っても抜群の展望が期待できそうです。電車の中で考えました。各地から寄せられる初冠雪の便りに、寒いテントはやめよう。でも清貧の山登りらしく避難小屋が使えるところと言うわけで、中央アルプス空木岳が今回のお題です。
熊沢岳は池の平カールの縁にあり目立つ岩峰を持つ。直下の大岩をよじ登っていると後ろからドスドスと元気の良い足音が聞こえてきた。こんな岩場じゃあ道を譲れないよ。でも後続のサングラス氏は少々バテ気味だったし、おかしいなあ〜。と思いながら振り返ると誰も居ない。ようやく登り詰め、山頂付近で休んでいるとサングラス氏が追い付いてきて「さっき熊がいたでしょう。ハイマツの中を下ってゆきました。」と言う。さっきの足音は...?思わず汗がたら〜。もっともヒュッテの小屋番さんによると、「そりゃあカモシカだべ。熊は餌の少ない稜線には滅多に出ない。池山尾根にはたんとおるだよ。」おいおい、そのコースは明日の下山コースだよ。
駒峰ヒュッテは地元山岳会が所有する避難小屋で、一般の営業小屋ではありません。素泊\3200+2食\1000+寝具\1000と格安です。おそらく日本一トイレに気を使っているかもしれません。大は全て携帯トイレです。今日はシーズンオフで無料開放されていると思っていたので小屋番さんがいてちょっとガッカリ。でも15時を過ぎ、室内にストーブの灯りを見ると、他の避難小屋に向かう気力はありませんでした。それに今日は小屋閉めとあって、打上げの食卓に御呼ばれしマツタケのお吸い物はじめ、たらふくご馳走になりラッキーでした。小屋の運営は会員のボランティアによって賄われていること。資金の無い中、小屋を改築したり、環境にやさしいトイレを設置したご苦労話。深夜駒ヶ根を発ち、ここまで登って宿泊料金を徴収して、戻って朝仕事に出かけた武勇伝など主催者の堺澤氏から大変興味深い話をうかがいました。このヒュッテが末永く存続するを祈念します。
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山行記録 |
2004.10.15
甲府18:05==19:29岡谷19:44==20:30伊那北-ホテル
2004.10.16
ホテル−伊那北5:19==5:41駒ヶ根6:00==(伊那バス\1000)==6:40しらび平6:55==(駒ヶ根ロープウェイ\1180)==7:10千畳敷7:20−7:50極楽平7:55−10:00桧尾岳10:05−10:15熊沢岳10:20−11:35東沢岳11:40−13:00木曾御殿小屋(水場往復15分)13:30−15:00空木岳15:10−15:15駒峰ヒュッテ
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千畳敷 |
先年海の日に訪れた時にはロープーウェイに乗るのに2時間待ちだったが、今日は紅葉も盛りを過ぎ、直ぐに乗ることが出来た。 |
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初冠雪 |
山頂駅を降りると昨日の寒波の影響か、登山道にはうっすらと雪が積もっていてちょっとビビル。観光客はあちこちですってんころりん。おっかなびっくりで歩いている。駒ケ岳神社で山行の無事を祈っていざ出発。まずは極楽平を目指す。 |
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極楽平 |
「凛」と張り詰めた空気のなか稜線に出た。ここが極楽平。正面には三の沢岳、更に御岳が見える。ここを左に折れ縦走路を南下する。 |
三の沢岳 |
御岳 |
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空木岳への縦走路 |
中央アルプスはこれで三度目だが空木はいつも雲に隠れ、姿を見せたのは初めてのこと。なかなか風格がある。それにしてもずいぶん遠くに見える。今日中にあの頂に辿り着けるのか不安になる。 |
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桧尾岳からの展望
宝剣岳 |
桧尾岳避難小屋 |
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桧尾岳山頂 |
熊沢岳への稜線 |
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熊沢岳 |
熊沢岳への稜線は遠目からはなだらかに見るが、次々と現れる小さな岩峰をクリアしなければならない。オーバーハング気味の箇所もありなかなか手強い。 |
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熊沢岳山頂 |
東沢岳への稜線 |
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東沢山頂 |
極楽平から三時間半。あんなに遠かった空木岳が指呼の距離に迫ってきた。しかしこの登り返しはきつそうだ。 |
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木曾御殿小屋 |
先週小屋閉めした小屋はひっそりと静まり返っていた。広場脇の倉庫が冬季小屋として開放されていた。じめっとして薄気味悪かったが、後から聞いたら今晩はここに6人泊まったと言う。 |
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義仲の力水 |
今日泊る駒峰ヒュッテには水場が無い。学生パーティの後を追うように力水を汲みに行った。倉本登山道脇、小屋から往復15分の距離にある。 |
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空木への登り返し |
大抵の山行では峰を下ってその日の山行を終えるが、今日は約400mの急登を登り返さなければ終わらない。2ピッチと見当つけたが甘かった。一般道とは思えない険しいガリーを登り詰め、偽ピ−クを2つクリアして、ヘロヘロになって山頂へ。 |
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空木岳山頂から
駒峰ヒュッテ |
南駒ケ岳 |
空木岳から縦走路を振り返る |
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駒峰ヒュッテから空木の影 |
密かに摺鉢窪避難小屋までと狙っていたがヒュッテの屋根を見たら、そんなことは忘れてしまった。このヒュッテは山頂直下だけあってまことに展望が良い。左は駒ヶ根市街地に映る空木岳の影。 |
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2004.10.17
駒峰ヒュッテ5:50−6:10駒石−6:25避難小屋分岐−6:45尾根越6:507:20迷尾根−7:30地獄中間7:35−8:20池山小屋8:30−8:40池山−9:05鷹打場−9:25駐車場−10:05スキー場−10:15菅の台11:15==(伊那バス)==11:30駒ヶ根12:00==(伊那バス\3650)==17:00新宿 |
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南アルプスから日出 |
今日、池山尾根を下山するのがもったいないような良い天気だ。雲ひとつ無い。 |
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朝日の空木岳 |
稜線沿いに、花崗岩のオブジェを縫うように下ってゆく。後ろ髪引かれる想いで、何度も空木を振り返る。 |
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駒岩の向こうに八ヶ岳 |
ひときわ大きな岩が駒岩だ。このあたりが森林限界。これから潅木帯に突入する。 |
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大地獄・小地獄 |
昔は難所だったのだろうが、梯子や桟道が設置されそれほど恐怖感は無い。このあたりで登ってくる登山者にあった。昨夜は池山の避難小屋に泊ったそうだ。 |
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池山尾根の紅葉 |
難所を半分くらい通過しただろうか。小高い岩峰から、振り返ると木々が色付いていた。 |
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池山避難小屋 |
難所を抜けると登山道は次第に緩やかになる。登山道と遊歩道の分岐から、道は二手に分かれるが再び合流する地点に丸太をくりぬいた水場がある。ふと見ると100m程離れた林の中に避難小屋が立っている。 |
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池山山頂 |
避難小屋から10分ほどで池山山頂に着く。山頂は広場になっており絶好の展望台だ。 |
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山頂広場 |
千畳敷が見える |
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鷹打場 |
空木登山道を離れ、池山山頂に寄り道したが、ここ鷹打場で再び合流する。ここから退屈な林道歩きが始まる。 |
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空木登山口 |
この周辺は開発が進んでいる。鷹打場から20分も歩くと20台程停められる広い駐車場に出た。東屋やトイレもある。 |
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スキー場登山口 |
駐車場から菅の台までは更に4km強歩かなくてはならない。何回か林道を横切りながら樹林帯をとっとこ下りスキー場に飛び出した。ここにも登山口の表示がある。菅の台はラスト10分だ。 |
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菅の台 |
駒ヶ池の向こうに千畳敷が見える。あの頂からぐるっと縦走してきたのかと思うと自分にご褒美画日をあげよう。さあ「こまくさの湯」と「ソースカツ」に直行だ。 |
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