山行記録
2001.8.5
駒ヶ根市13:00−13:50しらび平15:00−15:10千畳敷15:25−16:10乗越浄土−16:30中岳
−16:40木曾駒ケ岳テント場設営17:00−17:10木曽駒17:25−17:30木曾駒ケ岳テント場

今年の夏は連日快晴続きです。またまた年休を取って日曜月曜の一泊二日で中央アルプスに出かけました。朝8時に横浜を高速バスで発ち、15時過ぎに千畳敷に着きました。駒ケ岳ロープーウェイは1時間待ちでしたが8月に入った最初の日曜日の割にはまあ順調な方でしょう。帰りのラッシュ時間とみえて下りは3時間待ちとか、ロープウェイの山頂駅は観光客でごったがえしていました。

ここは観光地です。整理券の案内放送はカール中に響き渡るし、道をふさいで記念撮影はするし、子供が小石を飛ばして下ってくるし。そんなことは百も承知でやってきたのですが、テントの入った大きなザックを背負っているとどうも僻みっぽくなってしまいます。

それでも八丁坂を乗越浄土まで辿りつくと人もまばらで今までの喧騒が嘘のようです。宝剣山荘からは早くも夕食を告げるアナウンスが流れてきます。山荘の裏に廻ると天狗岩や宝剣岳の奇景が良く見えます。更に中岳方面へ右手に進むとコマクサの群生が地元営林署によって育てられています。緩やかに一登りで中岳山頂に到着しました。眼下の木曽駒コルには頂上山荘とテント場が見えます。ここまで来ると残りはわずか。


和合山 宝剣岳 三の沢岳


木曽駒山頂 木曽駒山頂
テントを張って木曽駒ピストンしました。岩がころがる広々とした山頂には祠があり山岳信仰盛んな頃が偲ばれます。西駒方面はガスが掛かり遠望はききませんでしたが延々と続く魅力的な尾根です。次回は是非チャレンジしたいところです。17時を過ぎた山頂には誰もいません。空は既に秋の空です。

駒ケ岳テント場
管理は頂上山荘で¥600/人。トイレは山荘内にある。有料トイレの使用料はテント場料金に含まれている。水は山荘脇のタンクから(無料)。設営場所は高山植物保護の為にロープで囲われ、過去あったと思われる水場への道は遮断されていた。砂地にある平坦地。風が強いと見えて随所に風除け用に岩がブロックのように詰まれている。鞍部にありガスの通り道なのか、上空は晴れていてもテント場周辺だけガスの中ということもある。



2001.7.20
駒ケ岳テント場5:25−6:00宝剣岳6:05−6:30三ノ沢分岐6:35−8:10三ノ沢岳8:25−9:55三ノ沢分岐10:00−10:30千畳敷10:35−10:45しらび平

中岳から
8月というのに3000mの稜線は秋の気配。軽量化でシュラフの替わりに持ってきたシュラフカバーのみの一夜は寒くて寒くて寝られなかった。おかげで暖をとる為に点けていたストーブはガス欠。今日の朝食は憐れにもビスケットだけ。出発前からこれでは先が思いやられる。早朝の中岳は絶好の展望台。雲海の上に北アルプスは乗鞍から槍穂高。南アルプスは甲斐駒仙丈に北岳、そして富士山と殆どの3000m級の山々が見渡せました。

宝剣南稜の一枚岩を登る
宝剣山頂には植物保護ロープに導かれてあれと言う間に到着した。なるほどその名の通り尖った岩ゴロゴロのピークで落ち着いて休めるところは無い。カールを覗くとガスの向うにチャリチャリと釈杖を持った白装束の一群が下って行く。雰囲気抜群だがあと一時間もすればこのピークも人であふれるだろう。さあてお楽しみは宝剣南稜の下り。次第にガスってきて高度感は無いが鎖や鋲の連続で緊張させられる。しかし先日の剣を思えばこれしきのこと.....。

ガイドブックによると三ノ沢岳は主稜線から外れており登山者の人影少なく、密かに咲くお花畑が美しいとあります。偏屈者の私にとって「人気の無い山」とは魅力的な響き。しかし分岐に立ちイザ、ピストンとなると「ぐうらた病」が頭をよぎる。早朝とあって先行者もいないようだし、第一雲に隠れて肝心の稜線沿いの道が見えない。しばし分岐で一服タイム。

ブロッケン
意を決してガスの中に延びるハイマツ帯の小道を下り始める。ふとガスの向うにブロッケンが現れた。写真にある片手を挙げた姿がわかりますか?鞍部に近づくにつれハイマツ帯は背丈ほどになるが道自体はしっかりしている。鞍部には道標のなごりと思われるなにやら錆びた金属があった。また南側には水場へと下る踏み跡があったが、稜線は狭くビバークサイトにはならない。この鞍部からしばらく尾根沿いにいくつかコブを越し、再び鞍部にでる。先程の鞍部と標高はさほど変わらない。ここからやっと三ノ沢の登りが始まる。

標高が上がるにつれ尾根幅が広くなり、ハイマツも低くなる。やがてケルンのある台地に辿りつくとピークは近い。ところで肝心のお花畑は何所にあるんだろうと少々不安になってきた。そんな頃、頂上5分前からまとめてド〜ンとお花畑が現れる。規模は小さいが種類の多さでは白馬や立山にも負けていない。もちろんこの山域では一番だろう。少々遅咲きと見えて主稜線では綿毛を出していたチングルマもここではまだ見事に花を付けていた。展望はご覧のありさまだったが充分元を取った気分。


三の沢山頂 山頂のお花畑 三の沢カール


今日初めての登山者 稜線は遥か彼方
帰路の途中、今日初めて登山者に出会った。彼らも道中不安だったと見えてお花畑は何所に?の問い。教えてやると足取り軽く進んでいった。その後分岐まで出会ったのは3パーティだけ。観光地化された中央アルプスに残された聖域と言ったら言い過ぎかな。それにしてもガスの向う遥か彼方に主稜線が見えたときには思わずうんざり。

木曽駒 極楽平
三ノ沢分岐に戻るとすでに10時とあって静かだった状況は一変、案の定多くの「にわかハイカー」が行き来していた。こんなところに用は無い。極楽平から千畳敷へ。ロープウェイに待ち時間ゼロで乗込み、11時前にしらび平到着。頭の中は露天風呂とソースカツ。この後、観光編に続く〜。




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