坪山から松姫鉱泉
2005.4.23




山野草

坪山はここ数年富士急が売り出したばかりで、ガイドブックに載っていない花の名山だ。4月中旬には薄黄色の花を付ける日影ツツジが山頂一帯に自生している。まさに今が旬の山だ。山奥のバス路線が相次いで廃止に追い込まれているが、シーズンには増発便が出るほど賑わっている。運転手の方に山好きの方がいるのだろう。上野原バス停には手作りのパンフレットがある。こんな企業努力は大歓迎だ。
上野原駅を降りると飯尾行きバスを待つ登山者でごったがえしていた。次々と増発が出る。ここでは部活の高校生を後回しにして、まず登山者優先に座らせる。高校生の諸君すまん。だって目指す坪山の登山口はバスで一時間掛かるんだもん。途中権現山に向かう数人を初戸で降ろしたが、それ以外は全て坪山目当ての登山客だった。


山行記録
2005.4.23
上野原8:28++++9:23御岳神社前9:30−10:00八ツ田合流点10:05−10:40坪山10:45−1175m峰11:25−11:35七保分岐11:40−11:55林道離れる−12:55松姫鉱泉
御岳神社登山口
バスを降りると、先行バスで到着した大勢の登山者が出発の準備や体操をしていた。この写真は人が途切れた僅かな合間に撮ったものだ。歩き出してすぐ、天狗岩経由の東尾根と最近整備された西尾根の分岐がある。偏屈な私はこの人出に嫌気が差し、静かな山道である東尾根を選んだ。99%の登山客はより花の多い西尾根を目指す。




松姫鉱泉へのルート図
日影ツツジの山道
途中八ツ田からの道を合わせるあたりから薄暗い杉林が途絶え、明るい広葉樹が広がる。痩せ尾根を辿る登山道の両側に日影ツツジが現れてきた。標高を上げるにつれ密度は濃くなり、道にこぼれんばかりに咲いている。
天狗岩から坪山
天狗岩と呼ばれる岩峰に出た。休んでいた登山者が「こちらの尾根は花が少ないですね。」と声を掛けられた。好きで来たんだ。ほっといてくれ。と言いたかったがちょっと悔しい。ここからは正面に坪山、振り返ると三頭山が望まれる。
坪山山頂
直下の急登を這い上がると、狭い山頂には人が溢れて、腰を下ろす場所も無い。昼飯は山頂で摂るものだと決め付けているのだろうか、構わずザックを下ろしている輩がいる。あたりには日影ツツジ、ミツバツツジ、アセビ等が密生しているが、このままでは裸地化するのも時間の問題だ。向こうの山は三頭山だ。
富士山
山頂を立ち去ろうとすると、富士山が正面に見えた。春霞の時期なのにはっきりくっきり写っていて嬉しい。
急な下り
これから西進して松姫鉱泉を目指すが、のっけの急なくだりにおっかなびっくり歩を進める。雨後にはとんでもない道になるだろう。
小さなアップダウンを繰り返しながら、この先も日影ツツジとミツバツツジの競演が続く。
1175m峰山頂
今回の山行で一番高い1175mの山頂だ。長い急登を登った割にはぬべっとした山頂だ。周りには木々が生い茂り展望は無い。僅かに奈良倉山が見える。
七保分岐
しばらく行くと坪山⇔佐野峠、飯尾⇔七保の道が交差している。松姫鉱泉へは七保方面、左にコースを取る。とは言うものの自信が無いので、一服タイムがてら後から来た登山者に確認した。それにしても新松姫峠、旧松姫峠=新佐野峠、旧佐野峠=西原峠が入り乱れている。道標にある佐野峠は新佐野峠か?頭がこんがらがる。
林道から離れる
分岐からしばらくは快適な山道だが、次第に道幅が狭くなり、急斜面をトラバスするようになる。すぐ下に延びる林道に斜面が削られたようだ。やがて林道に出た。道の真ん中にスミレが咲いておりしばらく車が通った形跡が無い。5分ほど歩くと右手に大月市が立てたと判るユニークな七保への道標が現れた。周囲にはカタクリが咲いていた。
ミズナラの道
さあ目指すは松姫鉱泉だ。ミズナラの林をジグザグに下ってゆく。標高を下げるにつれて緑の色が徐々に濃くなってゆく。道端にはスミレ、そして大嫌いな青大将に今年初めて出会った。冬眠から覚めたばかりなのだろう。逃げたつもりが、体半分まだ登山道に掛かっている。近くの小枝で追っ払いながらようやく通過した。
民家の玄関に飛び出した
バス道路が眼下の沢向こうに見える。やれやれと思ったら民家の玄関先に飛び出した。逆コースの時には本当にこの道で良いのか悩むだろうなあ。
松姫鉱泉
バス道路を右に200mほど進むと松姫鉱泉が現れる。バスは14:27と一時間半もある。とりあえず温泉に浸かるとしよう。なんの変哲も無い内湯だが、歩いた後はじい〜んとくる。オヤジに館内を見せてもらった。10畳と6畳の客間が10部屋ほどあった。釣りをしながらぼ〜っとしたい向きにはお勧めだろう。
入浴¥500、休憩¥500、送迎(予約6名以上)¥500とあったが、居合わせた入浴客4人で猿橋駅まで送迎してくれた。

山野草