遥かなるトムラウシ、一昨日旭岳から望んだその姿が忘れられない。大雪から縦走するのが格好良いのだが、この時期は縦走する登山者が少ないので大人しく短縮コースからピストンすることにした。旭川からレンタカーを飛ばし、前日のうちに短縮コース登山口まで入り、駐車場でテントを張った。
50台くらい停められる広い駐車場とバイオトイレがある立派な施設だが、水場が無い。飲料水を持たずにやってきた私は、一旦東大雪荘近くのキャンプ場まで戻って給水した。
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短縮コース登山口 |
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下の東大雪荘の宿泊客だろうか、朝早くから登ってくる車の音で目が覚めた。今日はピストンと言えども長丁場だ。4時前に出発した。
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温泉分岐 |
原生林の合間から漏れて来る日差しがまぶしい。天気が良いと知らず知らずのうちに気持ちが高揚してくる。今日は朝から雲ひとつない快晴で暑くなりそうだ。
登山口から20分で温泉コースと合流する。 |
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旧道分岐 |
十勝連峰 |
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数年前に沢沿いの旧道で遭難事故があったのを機に尾根筋に道が付け替えられたそうだ。旧道には立ち入り禁止の看板がある。これまでのWeb情報によると、新道はまだ急ごしらえでフカフカして歩きづらいとあったが、年々締まってくるのだろうか、それほど違和感は感じなかった。尾根道だけに展望はすこぶる良い。十勝連峰が雲海の上に荒々しい山肌をさらしている。
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カムイサンケナイ川の源頭部の渡渉点 |
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新道をルンルン気分で歩いてやがて下降点に着いた。そうです。この先カムイサンケナイ川までやっと稼いだ高度差を100m程一気に下るのです。帰りがしんどそう~。
右岸を10分ほど上流に進み、渡渉ポイントを対岸に渡る。いやと言うほどペンキやロープが張ってあり迷うことは無い。ここから目前のコマドリ沢雪渓に取り付く。
右手の尾根に道のような踏み後があり、自信が無かったので後続のオバチャンに道を教えてもらった。しばらくこのオバチャンとご一緒する。
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長い雪渓だが、傾斜はゆるく、このところの晴天続きで雪面はグズグズとあって持参したアイゼンは使わなかった。ちなみに帰りは尻セードーで一気に滑り降りた。
雪渓上部から右手の尾根に這い上がるとピンクの花を着けたエゾコザクラが咲き乱れていた。思わず一服タイム。オバチャンは青森から一週間掛けて道内の花の山旅を楽しんでいた。暑寒別岳のマシケゲンゲがお勧めと言う。 |
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前トム平 |
トムラウシ公園手前のピークから山頂部 |
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エゾコザクラの尾根上部には、大岩が雪崩の後のように堆積して、行く手を阻んでいた。これを大きくトラバスして登ってゆくとハイマツの向こうにトムラウシの山頂部が見えて来る。このあたりが前トム平らしい。要所にはケルンが積んである。それにしてもまだまだ距離がありそうでげんなりする。
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トムラウシ公園 |
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前トム平から尾根をひとつ乗越し下って行くと、そこがトムラウシ公園だ。青空の下に雪渓・奇岩・お花畑が散りばめられている。大岩の上に腰掛て20分程ぼ~おっとした。これほどの景観は黒部五郎のカール以来だ。こちらの方が広く開放的だ。
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雪田の後方には東大雪の山並み |
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南沼分岐 |
南沼キャンプ場 |
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分岐から南沼キャンプ場に足を延ばした。お花畑の中にある快適なキャンプ場だ。真ん中を流れる清流は雪解け水を集め手が切れるように冷たい。この時刻にテントを張るパーティを指をくわえて眺めていると、次回は旭岳~十勝岳縦走しかないと再訪を誓わずにはいられない。
ここからラスト30分でトムラウシ山頂だ。360度の大展望は見事。今回の2週間で一番充実した山行でした。
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山頂から十勝連峰 |
山頂から大雪山系 |
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高山植物 |
エゾコザクラ |
ハクサンイチゲ |
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ミヤマダイコンソウ |
メアカンキンバイ |
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チングルマ |
キバナシャクナゲ |
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ミネズオウ |
エゾノツガザクラ |
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イワウメ |
コメバツガザクラ |
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ジムカデ |
エゾイヌナズナ? |
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ミツバオウレン |
ゴゼンタチバナ |
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ツマトリソウ |
マイヅルソウ |
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