戸隠山
2007.10.20


奥社上部から戸隠連山

2007.10.20
戸隠キャンプ場545−615随神門−635奥社650−845八方睨850−855戸隠山−1040一不動避難小屋1045−1155キャンプ場





奥社

ルート図(クリック拡大)

午後のバスで、戸隠キャンプ場に着いた。まだ15時前なのにあたりは薄暗くなっている。降りしきる雨は止む気配も無くだんだん強くなってきたようだ。こりゃあ悪い時を選んだかなあと思ったが、今更どうしようもないと、早々にシュラフに潜り込んだ。深夜、表の明かるさに目を覚まし外に出てみると、雨は上がり、ひときわ明るい月夜の晩だった。
6時前、まだ薄暗いなかサブザックを背負って出発した。今年は季節が2週間くらいずれているようで紅葉の色付きはいまいちぱっとしない。随神門で奥社への参道に合流する。参道の両側に一直線に延びる400年を超えると言う杉並木を歩きつめると戸隠奥社に到着する。社の背後には戸隠連山が屏風のように峰を連ねている。
ルートは社務所から一段下がった広場から左の尾根に延びている。ここで登山者カードを書いていざ出発。

百間長屋
右手に木々の合間から戸隠連山の山肌が見え隠れするが、出だしからいきなりの急登で、紅葉を楽しむ余裕も無い。このルートは山伏の修験道として開かれたらしく、謂れのある地名が次々と現れる。五十間長屋・百闥キ屋は大きくえぐられた岩棚で、昨夜の雨を含んだ岸壁から雨だれのように水滴が滴り落ちていた。
この辺から連続的に鎖場が現れるが、まだまだ序の口だ。天狗の露地と呼ばれる広場を過ぎたあたりからルートはだんだん険しくなってゆく。


岩尾根を進むと、大きな岩壁が行く手をふさぐ様にそそり立っている。どちらから巻くのだろうと近づいてゆくと、おいおいどうやらまともにこれを登るらしい。実際取り付いてみると手掛かり足掛かりはあるが、ほぼ垂直の岩壁なので鎖なしには到底登れそうも無い。ようやくここをクリアし小岩峰にたどり着くと八方睨はわずかな距離だ。しかし....道が無い。ここが噂の「蟻の戸渡り」らしい。ガイドブックには、「初心者には危険と感じる」とあるが、登山暦30年の自称ベテランの私でもここはやばい!!と感じた。文字にすると「50cm位幅の岩稜が20mほど続いている」という表現になり、これがコンクリートで出来た平均台のような道ならどう言うこともない所だが、自然界にあるのはそうは行かない。塔渡りはなんとかへっぴり腰でクリアしたが、後半にある「剣の刃渡り」と呼ばれるところは、更に狭い岩稜となり躊躇無く跨って通過した。


蟻の塔渡り(奥社側から クリック拡大)

剣の刃渡り(八方睨側から クリック拡大)

八方睨

ここを通過すると難所は終わる。途中まで広がっていた青空も標高をあげるにつれてガスの中に突入したと見えて景色はさっぱりだ。
これまで波乱万丈のルートを通過してきただけにこの先は単調なルートだったと見えてあまり記憶に残っていない。本来なら展望台である八方睨もそこにある方位盤からそれと判るだけの小ピークであり、この山域で一番標高が高い戸隠山も、山頂標識が無ければ知らずに通過してしまう単なる広場だった。


一不動避難小屋(クリック 内部)
奥社の登山口に一不動避難小屋の荒廃から使用にあたりマナー向上を訴える掲示があったが、実際中を覗いてみると小奇麗なものだった。地元のボランティアの方が尽力されているのだろう。
板間には詰めれば十数名が泊まれる。周囲の広場には数張りのテントも可能と見た。ただトイレが無いので計画的な宿泊は自粛すべきだろう。水場はキャンプ場へのルート途中下り10分にある一杯清水。

ナメ滝

一不動避難小屋でこれから高妻山に向かう2人パーティと言葉を交わした。不釣合いな大きなザックを尋ねると、乙妻山との鞍部にテントを張るとのこと。私も高妻山まで足を伸ばす腹案を持っていたが、この天候では展望は期待出来ないと気持ちは既に帰り仕舞いになっており、次回花のシーズンに再訪を誓ってキャンプ場へ下りの道を採った。
道は枯れ沢の中をずんずん下ってゆく。一杯清水あたりから、ちょろちょろの水流が現れ周りの水流を集め、ナメ滝あたりから大きな流れになってゆく。
ルートはほぼこの沢沿いに下ってゆく。何度と無く沢を左右に渡り返しながら牧場の一角に飛び出した。道標に導かれ更に10分ほどでキャンプ場に戻った。

戸隠牧場

戸隠キャンプ場





川中島バス公式サイト
戸隠キャンプ場