滝子山
2004.11.6

寂しょう尾根に入ると直ぐ女性の二人ずれにあった。「どちらに降りるんですか?」。なるほど滝子山の支稜を登っているわけだから、登るのは滝子山に決まっている。ところがどっこい「大谷ヶ丸を越え天目温泉へ。」、「まあ遠いんですね。」と言われちょっと誉められた気分。これが予定のコースでしたが、滝子山を下り仰ぎ見る大谷ヶ丸は高くそびえている。一人旅の気安さからか?すぐヒヨル性分からか?ターゲットを天目温泉から「みどりや」の笹子餅に瞬時に切り替えた。それにしても今日の山行は紅葉が大あたりのコース。特に今年3度目のズミ沢沿いの道はまさに紅葉の見頃でした。



山行記録
2004.11.6
笹子9:00−9:25桜公園−9:35寂ショウ庵−9:50送電線9:55−10:00林道−10:50岩稜始まる−11:30浜立尾根11:40−11:55滝子山12:15−12:20鎮西ケ池−12:50曲峠分岐−13:25三丈滝下小橋13:45−14:00道証地蔵−14:45酒遊館15:00−15:05笹子駅
稲村神社の道標
笹子駅から甲州街道を15分ほど戻り吉久保集落に入る。神社の脇に地元「笹子原壮年会」お手製の道標があり、滝子山やお坊主山のルート図が書いてある。
寂しょう尾根入口
桜公園から林道を5分程歩くと「寂しょう庵」の道標がある。黒っぽいので早朝は見逃すかもしれない。林道を別れ道なりに2〜3分も進むと民家が現れる。その先から登山道が始まる。
送電線
寂しょう尾根のルートは、昭文社の地図では破線で書かれているマイナルートだ。ろくな道標の無いまま、この道で良いのかおっかなびっくり歩いてきた。普段は嫌いな人工物が現れほっとする。
林道
急登を登り詰めると、あれ?林道に飛び出した。10m程右に進んだ側壁の隙間から登山道が続いている。道はよく踏まれており一般道とたいして変わらない。
尾根道
山深いだけ植林の手が回らなかったのだろう。広葉樹の自然林が残っている。高度を上げるにつれ紅葉の色づきが鮮やかになってきた。
小ピーク
さっき送電線で休んで既に一時間経つ。次のピッチは浜立尾根分岐と決めていた。目の前の小ピークと思い込み、裏切られること数回、似たようなピークが次々と現れる。
岩場
次第に尾根道は細くなり岩稜帯になった。所々に鎖やロープが設置されているが、そういうところが歩き易いとは限らない。自分に合った足場を見つけ、踏み跡を拾って行く。
滝子山
さっきから木々の合間に滝子山が見えている。何枚か撮ってみたがどうしても手前の木々にかぶってしまう。そのなかではまともな方か。
浜立尾根方面
ヘロヘロ状態で浜立尾根の分岐に着いた。疲れというより飲まず食わずでシャリバテのようだ。
浜立方面には進入を遮るように横木が置かれているが、その先には細い踏み跡が続いている。
寂しょう尾根を振り返る
後で思えばこの浜立分岐のピークでのんびりすれば良かったが、ここから見える滝子山山頂は15分くらいの距離だろうと思うと気があせる。行動食を取ったら直ぐ腰を上げた。
途中で登ってきた寂しょう尾根を振り返った。なるほど鋸歯のように騙しの小ピークが連なっている。
滝子山西峰
「しまった」と思ったときには遅かった。人気の無いルートを辿ってきて気が回らなかったが、狭い山頂には黒山の人だかりだった。中年の団体がシートを広げ道を塞いでいる。広場の一番奥に陣取ったつもりだろうが、こっちにもルートが延びているんだよ。
小金沢連嶺
山頂標示は直ぐ脇に座り込んだオヤジの剥げ頭が邪魔して写せない。皆のひんしゅくを買っているのも知らずにカップ麺をパクついているが、これで綺麗に富士山が見えていたら只では済まなかったろう。
しょうがないので山頂からの証拠写真は北側の小金沢連嶺を一枚。
滝子山東峰
雑踏の西峰を通り過ぎ、三角点のある東峰で一休み。一応双耳峰の片割れだが幾分標高が低く、人気は無い。ついでに展望も無い。
鎮西ケ池
山頂から下ること5分で鎮西ケ池に着いた。村の鎮守様の1/10模型のようなたたずまいだ。いっちょまえに鳥居もある。傍らの池にはちょろちょろの湧き水があった。
大谷ヶ丸
予定では大谷ヶ丸を越え米背負峠のコースだったが、巡視道へ降りるあたりから大谷ヶ丸を見上げると、むむ...手強い。今から登り返す気力は残っていなかった。一人旅の気軽さから、すぐ楽なほうに傾いてしまう自分が情けない。
カラ松の小道
分岐から迷わず笹子へ向かうルートを取った。今年この道を通るのはは雪道の2月、山野草の咲く5月に続き3回目だ。午後の日差しを浴びながらカラ松の葉が落ちた小道を下ってゆく。
紅葉の身頃
ズミ沢沿いの小道はある時には流れの縁を、ある時には大きく高巻きながら下ってゆく。丁度紅葉の真っ只中でなかなか先に進まない。そのなかから3枚。

小橋を渡り休憩
登山道は三丈の滝下の橋を左岸に渡る。沢沿いの落ち葉の小道もここで終わりだ。沢音を聞きながらお茶の時間と行きたいところだが、残念コーヒーが無い。今日は具だくさんの味噌汁で締めよう。
滝子山
道証地蔵から林道をてくてくと吉久保に戻ってきた。振り返る滝子山はきれいに稜線を広げている。笹子駅までラスト20分。途中酒遊館に立ち寄り、ホウトウと笹子餅をお土産にゲット。お疲れ様でした。

おまけ
笹子餅は何の変哲も無い大福餅だ。これにまゆが妙に反応し、顔を真っ白にしながらスリスリする。餅に残った跡はヨダレか?鼻水か?




大月市