守門岳、お盆休みの悪天候で行き損なった山を再挑戦した。ここ小出周辺は電車とバスで移動する私にとってなかなか計画しずらい山域だ。今回はムーンライトえちごと青春18切符を活用した。ムーンライトえちごは深夜長岡駅に着く。そこから上り始発電車で小出に戻り始発バスに乗る。一日遅らせば、この列車は小出に臨時停車するが、天気は明らかに下り坂、なにより金曜に年休を取った意味がない。いつものように緻密でせこい行動計画は、今度も失敗から始まった。....始発バスが来ない。なんで?.....この始発バスに限って小出営業所から出ます。駅には立ち寄りません。
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早朝の小出駅 |
大白川本村バス停 |
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なんと相性の悪い山だろう。しかしここであきらめたらこの山には一生行けないかもしれない。泣き泣きタクシーを奮発してバスを追っかけてもらった。運ちゃんも気合を入れて飛ばしに飛ばして、途中半ばで捕まえてくれたが、予定外の\4,000の出費は痛い。
バスに乗り込むと乗客は私一人だ。このバスは終点大白川から帰りに通学客を乗せることに意味があるようで、行きは空で走るのが常のようだ。運ちゃん相手のぼやき節もいつしか山談義に花を咲かせ、意気投合して終点大白川本村に着いた。
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振る返ると浅草岳 |
登山口 |
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スキー場から延びる林道をテクテク歩いてゆく。午後は前線通過の予報だ。出だしから急がなければならない。それにしても良い天気だ。道はしらずしらず高度を上げてゆくが、振り返ると盆休みに登った浅草岳がくっきると見える。炭焼きだろうか?白い煙が上がっている所を過ぎると直ぐに車が停まっている広場に出た。ここが林道終点、登山口だ。
草むらの一本道からいきなり斜面に取り付く。何の遠慮も無い急登だ。登る。登る。やっと尾根に飛び出すと、守門の稜線が飛び込んでくる。これまでの薄暗い樹林帯から一転する様はドラマティックでもある。思わず木陰にへたり込んで一服タイム。
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エデシ |
エデシ尾根から守門岳 |
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この先も急登は続くが、展望の良い尾根道で如何にも上越らしくて気持ちの良い道だ。所々のガレ場にロープが張ってあるがそれほど危険な箇所は無い。徐々に高度を上げ廻りの稜線に高度が近づいたと思ったのに下り道になりゲンナリするが、その先に水量豊富な小沢があった。稜線直下の夏も終わりの時期にありがたい水場だ。ここでたらふく水を補給していざ出発。
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エデシ尾根の急登 |
水場 |
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水場から僅かな登りで、稜線分岐(田小屋分岐)に着いた。さらに進むと直ぐに三の芝が現れる。ここは高層湿原で高山植物を期待していたが夏草に覆われそれらしい花は見つけられなかった。正面に守門岳を望みながら緩やかに登ってゆく。最後こんもりとした急登を詰めると守門岳山頂だ
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三の芝 |
守門までの稜線 |
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守門岳は袴岳、青雲岳、大岳からなる3つの山から構成されておりその最高峰袴岳が「守門岳」を冠している。山頂はぐるり360度の展望の良い広場だが、シーズンオフの金曜日とあって人影が無かった。
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守門岳山頂 |
青雲岳から大岳の連なり |
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下山方向を眺めると、木道のある青雲岳と登り返しがきつそうな大岳への連なりが見える。二口分岐は2峰のコルにあるようだ。さあもう一ふんばり。
たったか下ると青雲岳に着く。岳とあるが池塘が点在するなだらかな草原だ。そこを過ぎ、大岳ルートを右に分ける二口分岐から長いなだらかな下りが始まる。樹林帯を行く野鳥の声が騒がしい道だが、大嫌いなヘビも現れる。茂みがガサゴソ音を立てても、けして振り向かないよう工夫しているのだが、道を横切るのだけは視界に入ってしまう。
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青雲岳から守門岳を振り返る |
滝見台 中間点 |
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樹林帯を抜け「滝見台 中間点」と表示のある岩場に出た。何処と何処の中間点なのだろう?おそらく山頂と二口平の中間点なのだろうが、相当下ってきたつもりだが、まだ先は長いようだ。谷内平を過ぎると護人清水が現れたが、残念ながら枯れていた。コップが置いてある所を見ると初夏までは利用できたのかもしれない。
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護人清水は枯れていた |
二口平登山口
(マウスを置くと駐車場) |
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ようやく二口平にたどり着いた。周囲には立派なトイレや駐車場がある。駐車場に人影を見て、ヒッチハイクを期待したがどうやら今到着してこれから釣りを始めるようだ。あきらめて休みなしに歩き出した。ここからは舗装道路をひたすら貫木バス停まで歩くしかない。昭文社マップで100分、アルパインガイドで80分だが、次のバスは60分後でそれを逃すと4時間待つ羽目になってしまう。小走り気味にへろへろになりながら急いだ。
幸い貫木直前の大宿集落で車に拾ってもらった。よほど疲れた顔をしていたのだろう。そのまま小出駅まで送って頂いた。ただただ感謝。出だしはバスを間違えどうなることかと思ったが、最後ラッキーのうちに守門岳山行は終了した。
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