清岳荘 |
明日の斜里岳を目指して、清岳荘に移動した。清里町が運営する施設で素泊\1500/人。以前の小屋が消失した後、新設された建物でまだ真新しい建物だが、ジュースの自販機が一台あるだけで観光色はまったく無い。
この日は私と昨晩木下小屋でご一緒した福島からの4人パーティだけでがらんとしていた。 |
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登山届けを出して出発 |
今日は、京都のAさんとご一緒した。この方はフェリーで北海道に渡り一週間ほど滞在される予定とか。本州から見て北海道は頻繁に来れる所ではない。一旦来たからにはあちこち廻らなければ元が取れない。今朝は雨こそ降っていないが、どんよりとしてはっきりしない天気だ。5時前に登山届けを記入して清岳荘を出発した。 |
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沢沿いの道 |
雪渓が残る |
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林道のどん詰まりから山道に入ると直ぐに一の沢に出る。コースはこの沢沿いに延びている。赤布の目印を拾いながら、左右に石伝いに渡渉しながら進むが、水量が少なく靴底を濡らす程度だ。下二股が近づいた頃、行く手を雪渓が塞いでいた。なにやら、直ぐ先を行く先方パーティがこちらを見て雪面を右岸側を辿るように合図をしている。こっちは歩きづらいのになあと不審に思いながらも指示に従った。お聞きすると、たったいま左岸を辿ったら、雪塊が崩落し沢に嵌ったとのこと。クレパスと言うには大袈裟だが雪洞の下は雪解け水を集めた急流が流れている。大事には至らなかったが、こちらが先行していたら同じ様に沢に落ちていたことだろう。もっとも帰路にはこの状況はさらに悪化し、私が雪面によじ登ったら、ずっぽりと腰まで嵌り、薄皮一枚残したような残雪に穴を開けてしまった。こんなことを繰り返しながら、この雪渓はあと一週間もすれば消失してしまうのだろう。
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羽衣の滝 |
万丈の滝 |
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下二股の表示を見ながらAさんと登りは旧道ルート、下りは新道ルートと確認する。ガイドブックには旧道コースは「滝が連続する悪路」のように書かれているが、とにかく昔から歩かれてきた登山道でありコースさえ外さなかったら危険は無い。少々行き詰まったら、慌てず周りを確認すること。必ず巻き道があったり、鎖やロープが張ってある。天気がよければ多少の水飛沫もクールダウンに丁度よい快適なルートだろう。
次第に傾斜もゆるくなり上二股で新道と合流し、えぐられた枯れ沢のような道を登ってゆく。周りの木々は次第に背が低くなり風がまともに吹き付けるようになった。「馬の背」と表示のあるガレ場に到着した。このあたりから展望も開けるのだろうが生憎濃いガスの中で何も見えない。これが災いして本来左斜面を登るルートを間違えて、右に延びる東稜に迷い込んでしまった。山頂に着かないまま下り始めたルートに不振を覚え地図を出してようやく間違いに気がついた。負け惜しみのようだが、もし高山植物が目当てなら、こちらの稜線は踏み跡が薄い分、荒らされていないお花畑が残っている。
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山頂手前の祠 |
斜里岳山頂 |
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さて20分ほどロスってしまいAさんには申し訳ないことをしてしまったが、登山口から三時間強で斜里岳山頂に到着した。今日は我々が一番乗りのようだ。本来ならさえぎるものの無い山頂でのんびりするところだが、今日は強風に追い立てられるだけのようだ。予定通り熊身峠経由の新道ルートで11時前には無事清岳荘に下山した。
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キタキツネ |
清岳荘を後にダートをゆっくり走っていると餌をねだってキタキツネが近寄ってきた。何ももらえないと判るとプイと茂みに消えていった。 |
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