まだ薄暗いなか始発電車に乗り込んだ。今朝は一段と冷え込んでおり、電車の中も寒くて堪らない。八王子で中央線に乗り継ぎ、向かったのは笹子駅から清八山だ。うまくいけば南アルプスが見えるかもしれない。
笹子駅はカーブの途中にあるので、内側に傾いて停車する。背中を押されるようにホームに飛び出したら、おっと危ない。笹子のホームは明け方降ったのだろうか、雪がうっすらと積もっていた。こんなところでこけたらみっともない。慎重に慎重に....。
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笹子駅 |
林道 |
登山口 |
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甲州街道沿いに西進し追分から左に林道に入る。林道と言っても、この先にはリニアモーターカの実験施設や変電所があり、道幅の広いアスファルト道路だ。ただし傾斜が結構きつい。所々凍結している上にうっすらと積もった雪でずるっと足をとられる。
駅から一時間半、ようやく林道終点から登山道に入る。雪道をジグザグに高度を上げてゆく。支稜に取り付きしばらく進むと、切り開かれた展望台に着く。ベンチの雪を落としてしばし休憩。正面には小金沢から大菩薩の山並みが見える。奥秩父や八ヶ岳は雲の中だ。
カラマツの尾根道をなおも辿ると徐々に隣の大沢山の稜線が肩を並べてきた。もうすぐ主稜線のはずだ。このあたりから風が強くなってきた。清八山を巻くように登り詰めると、そこが清八峠だ。向こうには山頂に電波塔が立ち並ぶ三つ峠が見える。太陽が振り注ぐ明るい峠だ。
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展望台 |
清八峠 |
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清八山に向う稜線沿いの雪はここまでより少ないようだ。日当たりのよい分、融けるのも早いのだろう。落ち葉と残り雪の急坂を一登りすると山頂に着く。山頂は清八山と書かれたプレートが無いと気づかずに通り過ぎてしまうよな岩峰だが、展望が凄い。富士山が三つ峠を従えて、どおおんと聳えていた。残念ながら甲府盆地の向こうに見えるはずの南アルプスや八ヶ岳は頭を雲に隠していた。
夢中で写真を撮りながら、誰もいない山頂を独り占めしていたが、やがて単独のおじさんがやってきて、しばし立ち話。この方は大沢山や達沢山等、この界隈の少々ナイマルートを歩いているらしい。
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清八山から |
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さておじさんが去り、ふと我に返ると、稜線を渡る風が寒くて堪らない。あわよくば三つ峠まで足を延ばそうと思っていたが、この風に気持ちが萎えてしまった。まあクリスマスイブだし今日は早く帰ろう。 |
清八山から |
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追分集落 |
とっとこ雪道を駆け下り、午後の日差しを浴びる追分に到着した。バス時刻には少々時間があるので稲荷神社に回ってみた。山頂で会ったおじさんお勧めの大沢山は、この社殿奥から登るらしい。
いつものように笹子駅前の「みどりや」で笹子餅をゲットした。ここで買うと試食として一個食べさせてくれる。それはともかく、この笹子餅はカミさんの怒りをとくご利益ある土産であった。 |
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