8.29 | 会津田島−沼山峠−尾瀬沼 |
8.30 | 尾瀬沼−沼尻−燧ケ岳−見晴−山の鼻 |
8.31 | 山の鼻−至仏岳−鳩待峠−戸倉 |
山行記録 | ||
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8月29日 沼山峠バス停1705−1720沼山峠1725−1750尾瀬沼 | ||
出張を利用して実家の会津若松に立ち寄りそこから尾瀬に向かいました。 お盆休みに帰郷したばかりなのに、またふらり現れた息子に、両親も私がお気楽サラリーマンであることを薄々感付いたようだ。 会津田島から沼山峠行きのバスに乗り込んだ。まだ14時過ぎだがこれが最終バスだ。途中乗り合わせた何人かの登山者は桧枝岐の民宿泊まりらしく、七入りを過ぎると乗客は私一人になってしまった。バスは終点で私を降ろし、待っていた下山客2人を乗せるとさっさと走り去ってしまった。休憩所もすでに店仕舞いの様子で人影も無い。 今晩は尾瀬沼キャンプ場でテント泊だ。薄暗くなった山道を尾瀬沼目指してとっとこ歩き出した。ここにテントを張るのは実に30年ぶりだ。大学の夏合宿の際、荒海山から会津国境を藪こぎして尾瀬にたどり着いた時以来だ。たしか小淵沢田代への登山道脇だったはずと周りを探したがどうも様子がおかしい。それと思われる場所には「施設が老朽化の為閉鎖」の看板が括り付けられていた。キャンプの施設なんて水場とトイレくらいのもの。その気になれば改修は容易なはずだが、登山スタイルが変化し、キャンプをする登山者が減ったのだろう。と納得しても今更山小屋に泊まる金も無く、こそこそ人目を避けるようにテントを張る羽目になってしまった。もっとも、閉鎖中と言ってもサイトそのものは充分快適なテントサイトだ。 |
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尾瀬沼キャンプ場は閉鎖 | 沼尻 | 稜線から俎ー |
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8月30日 尾瀬沼550−645沼尻655−850新道分岐855−920燧ケ岳(俎ー)930−945紫安ー950−1010分岐−1155見晴1205−1235竜宮1240−1430山の鼻 | ||
今日は燧ケ岳を登り、尾瀬ヶ原を縦断し、山の鼻のキャンプ場までと結構長丁場だ。燧ケ岳は沼尻からナデックボを登った。いきなり樹林帯の中、急登が続くハードなコースだ。涸沢の中を岩がゴロゴロする道で足場が悪く下りにはお勧めできないが、背後に尾瀬沼や日光白根を眺めながら、稜線に出ると突然山頂が姿を見せる。そのドラマチックな変化が好きだ。急勾配だがそれだけ効率の良い登り道で私にはお気に入りのルート。そんな展望を期待しながら登ったが、あいにくの曇り空で山頂は瞬く間にガスに覆われてしまった。まあこちらから好き好んで雲の中に突入したのだから文句は言えない。 燧ケ岳は俎ーと紫安ーからなる双耳峰だ。三角点のあるのは俎ーだが、標高は紫安ーが幾分か高い。見晴への道はハイ松帯からやがてブナの原生林に入ってどんどん下ってゆく。樹林帯の道からは、木々の合間に時々尾瀬ヶ原が見えるが、殆ど展望は無い。林床に咲くサラシナショウマやソバナに慰められる。 見晴に着くと真っ先にキャンプ場を確認したが、こちらは無事営業していた。途中同行したオジサンは竜宮小屋泊まりとか。私はその先の山の鼻までだ。更に木道を2時間歩かなければならない。 高山植物のピークは過ぎていたが、サワギキョウやミズギクが盛りと咲いていた。 |
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山の鼻のキャンプ場は私のテントを含めて3張りと閑散としたものだった。他の2張りはゼミの学生達が夏休みを利用してキャンプを楽しむ風で、ワイワイやりながら夕飯を作っている。こりゃあ夜中は喧しいぞと覚悟したが...。 このキャンプ場を管理する至仏山荘では、ありがたいことに¥500で風呂に入ることが出来る。4〜5人で一杯になる小振りな浴槽だが清潔感に溢れていた。それはともかくとして山荘のオヤジと駄弁っていたら、時々熊が出ると物騒なことを言う。このあたりの先住権は熊にある。熊の縄張りに人間がおじゃましているからしょうがないと悠然としているが、オヤジもように建物の中に居るのと薄皮一枚のテントに寝泊りするのとでは事情が違う。ある単独行のキャンパーはびびって休憩所の中にテントを張って一晩中ラジオを付けていたとも聞かされた。 テントに戻ると、追い討ちを掛けるようにビジターセンタの係員が廻って来て熊に注意しろと声を掛けてきた。今週は毎日出ている。今日土曜日も出るかもしれない。小屋のゴミ捨て場に餌を漁りに出るという。トイレは一晩中灯りを点けておく。もし熊が出たら休憩所に逃げ込むように。注意しろ?出たら逃げろ?さてこれから寝るというのにどうしたら良いの? 隣の学生テントも19時には消灯し、大人しく息を潜めている。こちらも早々にシュラフに潜り込んだが、19時からそんなに寝られるものじゃあない。2時頃に目が覚めると、もう寝付けない。外の風の音にビビリながらモーニングコーヒー...。土日は熊も休日か?無事一夜が明けた。 |
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8月31日 山の鼻550−715中間点−825高天原−850至仏岳900−930小至仏935−1005オヤマ沢田代−1115鳩待峠1140……(BUS)……1205戸倉 | ||
至仏は燧ケ岳に比べると気象条件や地質の違いから森林限界が低い。一時間ほど登ると樹林の背丈は低くなり森林限界を超える。中間点付近からお花畑が続く。その時期にはさぞ見事だろう。ひたすら登る直登コースだが、遅くまで雪田が残っていると見えて水場には事欠かない。 蛇紋岩と呼ばれる赤っぽい岩は滑りやすく、下りにルートを取るとちょっと怖い。また、遮る物がないだけ、風が強くガスがまともに襲い掛かる。今日も山頂付近はガスの中。高天原を過ぎ、なだらかになってきたと思ったらあっけなく山頂に到着した。 あわよくば笠が岳往復を考えていたが、生憎の天候で次回におあずけ。オヤマ沢田代手前にある湯の小屋分岐の道標には道はちゃんと刈り払いされている旨の書き込みがあった。 鳩待峠から戸倉へはマイクロバス(時刻表)が運行している。私はこのバスを利用し、戸倉温泉の一浴にこだわったが、殆どのハイカーは相乗りタクシーで沼田に直行しているようだ。料金も4人集まればバスと同等。途中温泉街をノロノロ進むバスと違って時間は断然早い。 |
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至仏登りから尾瀬ヶ原 | 湯の小屋分岐 | 鳩待峠 |
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オゴジョ | ||
オゴジョに会うのは何年ぶりかなあ。撮影したのは初めてのこと。彼はネズミとリスとキツネを足して三で割ったような大きさとしぐさで、とにかくすばしっこい。登山道を横切ろうとしたところに私が通り掛かり、びっくりしたと見えて岩陰に姿を隠してしまった。しかし彼は小心者でありながら好奇心が強く、忙しくところを変えながら顔を出しこちらをチェックする。初めはその姿を追ってシャッターを切ったが追いつけない。ポイントを定め顔を出した瞬間を狙ってカメラに収めた。彼の安全のため撮影場所は内緒。 |
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戸倉温泉 旅館玉泉 | ||
鳩待を発ったマイクロバスは戸倉温泉の約30分で発着所に到着する。大清水発沼田行き路線バスのバス停はそこから100mほど先にある。その中間にあるのが旅館玉泉。釣りキチのご主人はアウトドア派。山屋も気兼ねなく利用できる。¥500/人。ぬめっとしたアルカリ性のお湯で表の看板には「美肌の湯」とあった。 | ||