大沢山
2007.2.24


清八山から甲府盆地 手前に今日歩いた稜線が見える


2007.02.24
笹子駅840−910奥野稲村神社915−925JR送電線鉄塔−1000幹線送電線鉄塔1005−1115大沢山1150−1200女坂−1215 1445m峰鉄塔1220ー1305主稜線1310−1335清八山1340−1405展望地1410−1435林道終点−1540笹子駅


横浜スタジアムを過ぎ、鴨居に近づくあたり電車正面に富士山の見えるポイントがある。今朝はすっきりさわやかに白い頂を見せていた。今年は暖冬で、山頂につくころには雲が湧き出てその姿を隠してしまう。




笹子駅バス停で確認すると、昨年12月のダイヤ改正で、これまで利用できた08:59新田行きは土曜休日運休になってしまった。たいした距離じゃないが、車の行き交う甲州街道を歩くのを敬遠していたのだが、しょうがない、歩くとするか。例によってまず「みどりや」で笹子餅を仕入れ、甲州街道沿いをてくてく歩き出した。
追分で甲州街道を左に折れ道なりに旧道を進むと直ぐに奥野稲村神社が現れる。昔はこの道がず〜うと清八峠まで延びていたのだが、今ではこの神社の裏山に追分トンネルが貫通しバイパスが通っている。この様子が手持ちの古い登山地図には載っていないので初めて訪れたときにまごついてしまった。
林道から登山道に

大沢山登山口
奥野稲村神社で無事を祈念していざ出発。この社殿右奥から大沢山への山道に分け入る。直ぐに大沢山を示す道標がある。地元の方の手作りなのだろう。工芸品風でなかなか渋い。
ついでながら、次に道標が現れるのは大沢山頂直下のそれだが、そこにはこのコースが「道不明瞭」とある。実際歩いてみるとしっかりした道で不安は無い。
薄暗い樹林帯のジグザグ急登を一登りすると小さな鉄塔が現れる。後で調べたらJRの送電線のようだ。ここから899峰までが一番の急坂だ。落ち葉で埋まった山道を拾ってゆくと広い尾根にたどり着く。
尾根の向こうに新田の集落が見える。一生懸命登ったつもりが集落のちかくをうろうろしていただけの様でいささか拍子抜けした。
下りにはこの分岐を見逃して尾根を直進してしまいそうだ。もっとも直ぐに集落に着くだろうから大事は無いだろう。
大-勝52号送電鉄塔
西群馬幹線213号送電鉄塔
だらだら登ってゆくと今度はとてつもなく大きな鉄塔が現れる。この左下にある変電所から四方に延びる送電線のひとつだ。この送電線は笹子峠から雁ヶ腹摺山直下の鉄塔に繋がっている。
大沢山
いつしか木漏れ日差す広葉樹の気持ち良い山道なった。正面にはこれから登る大沢山が見える。背後に見え隠れする白い峰は金峰山だろう。さっきまで快晴の空に白い雲が上って来た。ぐずぐずしてはいられない。
伐採地
程なく伐採地を通る。清八峠に続く林道終点を拠点に広く伐採地が広がっているが、それが尾根に届いたあたりなのだろう。
左手に頂に鉄塔を乗せた1445峰が見える。これと背比べしながら登ってきたが、ようやく並んだと思ったら、大沢山手前の三叉路を示す道標がひょっこり現れる。山頂まで5分とあるが100m先に山頂表示が見えるではないか。どうもこの道標はオーバーだ。
大沢山頂から富士山
山頂は広場になっていて、山頂表示とベンチがあるがけのいたってシンプルなもの。南に富士山方向が開けているが、残念ながら、半分は雲の中に隠れている。
イワカガミ
登山道に沿って西に1〜2分進むと、一段下がったところにある小さな岩棚に立つと南アルプス、八ヶ岳、奥秩父が一望できる。肉眼でははっきり見えていたが写真では薄ぼんやりしている。あと一時間早かったらと悔やまれる。
足元にはイワカガミの赤茶けた葉があった。その季節にはピンクの花を付けるのだろう。

岩棚から南アルプス
     女坂登り返し
さて山頂に戻ってカップヌードルのランチタイムをとりながら帰り道を考えた。西進して笹子峠を目指すのもよいが、峠から駅までアプローチが長い。もっと日が長くなってから挑戦しよう。今日は予定通り清八峠から笹子に戻ることにした。
ふかふかの落ち葉の尾根を下りきった鞍部に女坂峠の道標があった。峠といっても両側は切り立っており道らしきものは無い。この登り返しに思いかけず苦戦した。両側がガレた痩せ尾根でしかも狭い日差しの関係か足場が凍結している。木の根を掴みながら三点確保で這い上がった。まだ登りで良かった。ここを下りにコース取りしたらもっと時間が掛かったろう。
1445m峰道標
女坂峠を登り詰め尾根に出ると真新しい道標があり、右八丁山、左笹子駅とある。笹子駅の文字に誘われて左に進むと直ぐに巨大な鉄塔が現れた。先にはずんずん下る踏み跡の無い雪道が続いていた。
あれこんなに簡単に主稜線に出たのかな?と錯覚してしまった。それにしては本社ヶ丸の位置がおかしい。今日初めて地図を出して調べると、なんだ大沢山の登りで競い合った1445m峰じゃないか。大事をとって予定通り八丁山方面を清八山に向かったが、このまま下れば2時間くらい近道だったろう。

1445m峰から大菩薩方面

今思うと遠回りになったが、ここから清八山に掛けて登山道は、ちょっとした縦走気分を味わえる気持ちの良いコースだ。標高1500m前後とあって亜高山帯風にカラマツや背丈の低い潅木帯が続き、その向こうには、薄く雪をまとった墨絵のような山並みが見える。富士山こそ雲に隠れたままだが、本社ヶ丸、清八山 黒岳、釈迦ヶ岳....が間近に見える。
更に御坂山塊の主稜線に合流すると、標高が高まったせいかまとまった雪道になったのでアイゼンを着けた。清八山に到着したのは1300を過ぎ、遅い時間で誰もいない。ここも一等展望台だ。


清八山

清八山から三つ峠

清八峠下り
清八峠からの下り道は北斜面だからだろう、今日のルートで一番多く雪が残っていた。気持ちよくアイゼンが効く。途中の展望地で滝子山からお坊山の稜線を確認し、後は笹子駅まで一気に下った。電車を待つ30分間にコーヒの代わりにインスタント味噌汁で今日の行程を締めくくった。





大月市