奥穂高岳
2006.7.22−23

常念から日の出 新島々を発つ一番バスで上高地に着いた。まともに雨が降っている。当初の計画ではマニアックな霞沢岳だが、この天気にわざわざ登る物好きな者は居ないだろう。持病にヘルニア持つ私にとって、人気の無い山が一番ヤバイ。蝶ヶ岳あたりが手頃だが、充実感がもうひとつだ。槍は明日の帰りが遅くなる。地図とにらめっこして選んだのは奥穂高だった。
初日に標高差1500mはきつかった。ヘロヘロになり穂高山荘までたどり着いた。雨の中、テントを張ってゴソゴソ潜り込み後は天気次第だ。明日は奥穂高から前穂まで狙える。

2006.7.29
バスターミナル730−930横尾940−1045本谷橋1050−1245涸沢ヒュッテ1255−1615穂高山荘
2006.7.30
穂高山荘515−605奥穂高岳615−750紀美子平(前穂高往復)850−1045岳沢ヒュッテ1055−1140風穴1145−1230河童橋


高山植物




横尾
上高地から同じ単独行のおねえちゃんと同行した。良いとこを見せようとかっ飛ばし横尾まで2時間で到着した。しんどかった。横尾で槍に向かう彼女と別れ、私は涸沢に向かう。ようやくマイペース亀歩きの始まりだ。
穂高が見えた
雨は降ったりやんだりで、雨具を着たり脱いだり忙しい。それでもSガレあたりで日が差してきた。正面には穂高が見えだした。前後する登山者から思わず歓声が上がった。
涸沢ヒュッテ
やはり今年は雪が多いようで、ヒュッテの手前から雪道になった。
テラスでは大勢の登山者がビールと名物のオデンを楽しんでいた。誘惑に負けそうになるが、これからもう一仕事残っている。

涸沢カール
前穂高 奥穂高 北穂高

涸沢雪渓
ザイテングラードの取り付までまるで白馬を思わせる雪渓が続いていた。軽アイゼンを持って来てよかった。
奥穂高山荘直前
ザイテングラードから雨になってきた。雨というよりこちらから雲の中に突入したのだから文句は言えない。中高年の団体さんに道を譲られるが、こちらもヘロヘロで直ぐに吸収されてしまう。ガスの向こうに奥穂高山荘が見えた時には、さすがにほっとした。
前穂高岳
ごった返す小屋で雨宿りしていたが、一向に止む気配は無い。意を決してテントを張り、イモムシの様に潜り込んだ。夜行の疲れも手伝って直ぐに眠り込んでしまった。夕方になって霧が晴れたの声に目を覚まし撮ったのがこの一枚。翌朝晴れたのが不思議なくらいだ。



常念から日の出
夜中にふと目を覚ました。テントから顔を出すと、雨はとうに止み、空一面に星が輝いている。コーヒーを入れて至福のひと時。これだから山は止められない。
30年前にもここに張ったことがある。ちゃちなツエルトで、夜中に風に煽られて倒れてしまったが、面倒なのでそのまま包まり満天の星空を眺めていた。
前穂高
日の出前というのに小屋前には大勢の人が日の出を迎えようとしていた。今日は前穂高もくっきりと姿を現している。テントを畳んで、さあ出発だ。
奥穂高岳山頂から
威勢良く出た割には、三点確保の登りに出鼻を挫かれた。後続パーティに抜かれ抜かれやっとこさ奥穂高山頂に着いた。最後の登りを十分に楽しんだことにしておこう。360度のパノラマは、どんな写真でも表現できない。
ジャンダルム 笠ヶ岳
山頂 槍への岩稜

紀美子平
吊尾根を縦走し最低コルからトラバスし着いたところが紀美子平だ。ここから前穂高山頂を往復する登山者のザックが所狭しと置いてある。
前穂高
ガレ場の急登をペンキマークを頼りによじ登る。途中沢山の高山植物が咲いていた。山頂は広々としており、岩登りをする連中のビザークサイトらしきものもあった。ここから振り返る槍も格好が良い。
明神岳、霞沢岳
前穂高から続く稜線の先に一際険しい岩峰が聳えているのが明神岳だ。一般道の無い不遇な山だ。その向こうには霞沢が見える。この秋にでもリベンジしよう。

ジャンダルム稜線
岳沢を一気に下る。肩を並べていたジャンダルムの稜線が徐々に高くなってきた。20年前滑落事故を目撃したときもこんな天気だった。

岳沢俯瞰
下っても下っても岳沢ヒュッテはまだずっと下に見える。かんかん照りの太陽に、木陰に入っても蒸し暑いだけだ。
岳沢ヒュッテ
雪に押しつぶされ今シーズンの営業をあきらめた岳沢ヒュッテは復旧作業のま最中だった。
風穴
上高地へラストスパートと樹林帯を歩いているとひんやりとした風が漂ってきた。岩の割れ目を覗き込むと、氷化した雪の塊が見える。まさに天然のクーラーだ。
上高地バスタームナル
河童橋周辺は観光客で埋まっていた。バスターミナルでは、幸い15分後のバス整理券をゲットできた。早々にバスに乗り込み、喧騒の上高地を後にした。


高山植物