沼津アルプス
2005.2.12




今日は東海道線に乗り沼津市から南に延びる沼津アルプスに向かった。この時期は、昨日登った標高700mに満たない石老山でさえ山頂付近には雪がへばりついている。だからと言ってしょぼい山では充実感が無い。富士山と南アルプスの展望台として、しばらく暖めていた計画だ。
最初は多比から沼津市街地へ富士山を正面に見ながら北行するつもりだったが、南行して伊豆長岡温泉を目指すほうが魅力的だと考えを変え、黒瀬から香貫山へ登りだした。香貫山は言わば沼津アルプス前衛の山である。山頂付近は市民公園として整備され、犬を連れて散歩している市民も見られ、スニーカーの方が良かったかなと、山靴を履いた我が身は気恥ずかしくもあった。しかし横山・徳倉山と進むにつれハイキング気分はふっとんだ。鷲頭山頂に着いた時には、参りましたと脱帽した。単にアップダウンが多いだけでなく、草原あり、岩場あり、樹林帯ありと山容も変化に富んでいる。まさにアルプスがコンパクトに凝縮されていた。
多比口峠から大平山をピストンして〆るはずだったが、大平山頂で考え込んでしまった。まだ先に道が続いているではないか。地元有志が整備した奥アルプス、奥の細道とある。全山縦走したとほくそえんでいた私にとって、これは結構ショックだった。時間はまだ充分にあるし、一人旅の気楽さから、こうなったら行くしかないとザックを背負って出発した。前後する登山者も居ない。トラロープや梯子で整備されているが、これまで以上に手強い道だ。30分ほど忠実にルートを辿っていたが、稜線上で大岩に行く手を阻まれた。今思うと素直に、これをよじ登ればよかったのだろうが、左に下るトラロープが目に入ったのが間違いだった。どうも違うなと気づいた時には、稜線から大きく外れていた。車の音も聞こえるし、どこかに出るだろうとそのまま下ってゆくと、いきなり視界が広がった。飛び出したのは採石場の断崖最上部だった。慎重に断崖の縁に続く踏み跡を拾いながら、ようやく下に辿り付いた。どこで間違えたのか、後日リベンジしなければならない。
山行記録
2005.2.12
沼津7:30−黒瀬7:55−五重塔8:05−8:25展望台8:35−香貫山8:40−八重坂峠9:10−10:05徳倉山10:20−志下山10:55−11:10志下峠11:15−11:45鷲頭山12:20−多比口峠12:50−13:00大平山13:10−稜線13:40−砕石場13:55−橋14:30−願成就院14:55−堀越御所跡15:10−めおとの湯15:30
香貫山登山口(黒瀬)
バス通りに並ぶ民家の脇からコースが始まる。
香陵台展望台
香貫山頂は電波塔が建てられ視界が悪い。その代わり、隣の尾根にある展望台から富士山を正面に雄大な景色を楽しめる。
香貫山から沼津アルプス
これから向かう沼津アルプスが見える。手前のふたこぶの間から頭を見せるのが鷲頭山だ。
桜台
山頂付近は市民公園として整備されている。ピンクの花はヤシオツツジだろうか。
八重坂峠
標高192mの香貫山からずんずん下る。ゴルフ練習場の脇を通り標高10m迄下ってきた。あれえ〜?バス道路を横切った。ここが八重坂峠だ。なんだか振り出しに戻った気分。
徳倉山直下
やっと登った横山を、大きく登り返すと徳倉山だ。直下の急登はまさにアルプス級だ。
徳倉山山頂
穏やかな草原が広がっている。思わず昼寝をしたいところだが、まだ半分も来ていない。先を急ごう。
南アルプス
徳倉山から南アルプスを望む。だんだん薄ぼんやりしてきたが、北岳から上河内までほぼ全山に渡って白い頂が見える。
常緑樹の道
徳倉山から急登を下るとなだらかな樹林帯の道になる。このあたりはサカキに似た常緑樹が多い。
志下山
この辺りは伸びやかな草原の道だ。鷲頭山を望む。せっかく登ったのに大きく下って登り返すようだ。
小鷲頭山直下
志下峠から山頂まで一直線の登りが待っている。これが標高300mの低山かとうらめしくなる。いやあ、きつかった。中将宮経由の巻き道もあるが時間的には似たようなもの。
鷲頭山山頂
沼津アルプスの最高峰である鷲頭山に脱帽する。標高392mとは思えない達成感だ。多くの登山者が休んでいる。ここで大休止。山頂の一角には大きな石灯篭と小さな祠がある。
大平山への山並み
沼津アルプス最後のピーク大平山だ
ウバメガシのトンネル
細い尾根道の両側には備長炭の原料であるウバメガシが続いている。
大平山山頂
桜の大木の廻りが広場になっている。周囲は木々に遮られ展望は無い。
奥アルプス
この先にも縦走路が続いている。地元有志が管理する奥アルプス、奥の細道だ。全山縦走を目指すからには避けて通れない。いざ出発。
奥アルプスの山並
東に延びる尾根は狩野川沿いに広がる平地に沈んでゆく。山頂が開かれているのが大嵐山だろう。
露岩から三島方面
大平山から20分くらいで展望の良い露岩にでる。ご丁寧に灰皿まで整備されている。
梯子
このコースはトラロープや梯子で整備されているが、ルート全体に険しくハイキング気分で来ると泣きを見る。(私もこの後、道に迷ったが...)
砕石所
稜線のトラバスルートと思い、踏み跡に迷い込んでしまった。ふと前方が開けたと思ったら採石場である。採石場の断崖の上を慎重に廻り込んで無事下山した。
大平山遠望
どう間違えたか写真中央の砕石所に降りてしまった。稜線はまだ東に延びている。
願成就院
韮山から伊豆長岡まで歩きとおした。この辺りは源頼朝や北条氏にちなんだ史跡が多い。136号線沿いを歩いていると、北条、中条、南条の地名が続いている。
堀越御所跡
堀越御所と言うからには何か建物が建っていると思ったらフェンスに囲まれた更地だった。ここから戦国時代、北条早雲の活躍が始まった。
めおとの湯
伊豆長岡駅近くにあるめおとの湯に到着。¥500。内湯とサウナのみのシンプルな設備。持ち込み自由の大広間あり。レストランで食事を頼むと広間まで出前してくれる。



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奥沼津アルプス