残り僅かな紅葉を求め、八王子から中央線に乗り継いだ。さて何処へ行こうか、車内で地図を広げて考える。予報では午後から天気は下り坂とのこと、駅から近いところが無難だろう。降りた駅は「猿橋」。ここから百蔵山ピストンを狙った。 北側に見える台形の山が百蔵山だ。駅前で甲州街道を渡り、更に北進すると宮下橋で桂川を渡り、そのすぐ北に百蔵橋があって葛野川を渡る。それぞれ橋から川を見下ろすと、深い渓谷は紅葉のまっ盛りだった。 |
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桂川 |
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下和田から百蔵山 |
浄水場 |
この山麓は最近開発されたとみえて、不釣合いに立派な舗装道路が新興住宅地のなかを延びている。総合グランド、更に浄水場を過ぎると、其の裏手から登山道が始まった。駅から一時間弱、周辺は見事な紅葉である。 東京近郊のお手軽コースのはずだが、シーズンオフなのか登山者は私一人だった。どんよりとした曇り空に思わず心細くなり熊よけの鈴を付けた。登るにつれ木々を彩っていた葉は落ち葉になって道を埋めている。山肌を縫うように登っていた道はいつしか支稜をつめ、やがて狭い尾根道になる。 |
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登山道 |
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百蔵山山頂 |
梁川方面 |
トラロープの張られた急斜面を登りつめると、台地状の山頂の一端に出る。扇山への縦走路を右に分けるとものの数分で山頂広場に出た。この山頂は秀麗富岳12景の一つだが、この天候ではカケラも見えない。かろうじて箱庭のように梁川方面がみえただけだった。少しパラついてきたのを機に早々に下山することにした。少々不完全燃焼だ。 |