三国山
2005.11.13





行程図



三国山から湖尻峠に少し下ったあたりに立派なブナの巨木がある。歩き出してかれこれ二時間強だ。もう休もうと傍らのベンチに腰を降ろして、さてどうしようか考えた。エスケープの無い長いコースとあったが、それは公共交通機関が使えないというだけで、隣には自動車専用道路があり、車やバイクが爆走している。この先の湖尻峠から下山する予定だったが、これで帰ったら不完全燃焼も甚だしい。よっしゃあ〜目指せ金時・足柄峠!!お気軽コースからロングコースに切り替えていざ出発。

山行記録
2005.11.13
小田原709++++810箱根町815−900海ノ平−945山伏峠−1030三国山1035−1110湖尻峠−1135展望台−1220長尾峠−1250丸山1255−1320乙女峠−1400金時山1405−1505足柄峠−1515足柄万葉公園1520++++1550関本

地下鉄の始発を戸塚で静岡行きJR普通列車に乗り換える。なぜか特急の車両で朝から得した気分だ。この時刻には色々な連中が乗っている。頑張るぞの気合充分な釣り馬鹿おやじや、今まで頑張りましたの朝帰りアベックや人間模様の観察も面白い。
小田原からバスで芦ノ湖に向かった。ここのバス停は名前が判りづらい。「箱根町」、「元箱根」、「箱根園」、どれに乗ったら良いのだろう。正解は「箱根町」でした。しかし、「xx町」と言ったら町役場か駅のある場所を指すのが普通だと思うが、着いたところは海賊船の船着場だ。ちゃんと改名してくれ〜。 海賊船船着場
海ノ平 石仏佇む小道を「箱根旧街道」が延びている。往時を偲ばせる石畳の道だが、草履履きの時代にはこれが最適だったのだろうが、底の固い靴ではつるつる滑って気が抜けない。
途中「道の駅箱根峠」で国道を横切ると山道に入り、一登りで稜線に飛び出した。ここから外輪山を三国山に向かって北上する。あたりは防火帯として刈り払われており気持ちが良い。途中海ノ平の道標があった。
ルートは自動車道と併走している。単なる林道かと思っていたら、立派な自動車専用道路だ。紅葉ドライブの車やバイクがけたたましい音を立てて爆走している。
今日の目的のひとつには年賀状用の富士山を撮ることにあったが、正面にどんとそびえるはずなのに雲に覆われカケラも見えない。料金所、ゴルフ場、レストハウスにばかり目が行ってしまう。
山伏峠レストハウス
三国山下のブナ 小さなアップダウンを繰り返しながら、三国山の山頂に着いたが、なだらかなその山頂は表示がなければ通り過ぎてしまう。雑木で覆われ展望も無い。しばらく下ると紅葉に色づくブナの自然林が現れる。ひときわ大きなブナの木の傍らにベンチがあり一休みする。ここまで二時間強、歩き通しだったが、このあたりは車道から離れているのだろう。静かなほっとする休憩スポットだ。
もうすぐ湖尻峠だ。ここから降りる予定だったが、金時山・足柄峠にギアチェンジした。峠の向こうの登り返しがきつそうだ。
峠は三叉路になっている。自動車専用道路だけあって皆飛ばしてくる。なかなか渡れないが、山登りに来て交通事故にあったら洒落にならない。慎重に慎重に....。
湖尻峠
芦ノ湖 峠から一登りすると展望台と呼ばれる景勝地に出る。芦ノ湖の南岸を歩き出して3時間かけて180度反対側に来たことになる。海賊船に乗ればもっと早かったのだろが。
長尾峠を越え山頂にアンテナが立ち並ぶ丸山に着いた。ここは南側の展望が開け絶好の展望台だ。神山や芦ノ湖はもちろん、今まで歩いてきた外輪山の連なり、さらにこれから向かう金時山がぐるり一望できる。反対側の富士山もアンテナ側の広場に出れば正面にそびえている(はずだ)。
この先の金時山はいつ訪れても、人々で腰を降ろす場所さえままならぬが、こちらはそのハリネズミのようなアンテナア群が悪いのか、あまりにも平凡な山名が災いしてか、独り占めの山頂だった。
 丸山の巨大アンテナ

ここまで静かな山旅を続けてきたが、乙女峠に着いてその人の多さにびっくりした。既に13時を過ぎ殆どは下山のハイカーだが、これから金時山を目指す人たちもたくさんいた。かく言う私もその一人だ。
「どちらからいらっしゃいましたか?」と声を掛けられた。「箱根町バス停から外輪山を周り、湖尻峠、乙女峠を越えてきました」と言えば良かったのだろうか、ぼっそと「箱根町」と答えたら怪訝そうな顔をされた。地元の人と思われたのかもしれない。
最後の岩場を登り詰めると金時山頂広場に飛び出した。ここにも人が溢れていた。腰を降ろす場所も無い。今日はよく歩いた。時計を見れば、あと一時間で万葉公園から出る関本行き最終バスに間に合う計算だ。さあラストスパート。

乙女峠 金時山 足柄峠への林道






Let’sEnjoy伊豆・箱根