2008.5.3
バス停西沢渓谷1010−1030登山口−1125ヌク沢渡渉点1130−1315徳ちゃん新道分岐1320−1550主稜線分岐−1600木賊山−1615甲武信小屋 |
登山口 |
昨夜までは鳳凰三山と考えていたが、甲府盆地越しに望む南アルプスは厚い雲に覆われていた。このまま甲府まで行くか、予定を変え塩山で降りて奥秩父に行くか、迷った末に塩山で降りた。
山梨交通のバスを待っていたら市営バスがやってきた。これで窪平まで行き、そこで山梨市駅始発の西沢渓谷行きに乗り換えることができると言う。なるほど計算すると\300ほど安かった。
さて、バス停西沢渓谷を発って、しばらく林道を進み、渓谷沿いのハイキングコースを左に分け登山道に入る。 |
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登山道はトロッコ起動跡 |
ヌク沢を渡る |
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登山道は左のヌク沢を大きく高巻いて行く。すぐに採掘場があった名残のトロッコ軌道が現れる。レールに沿った歩きやすい道だが、いくら歩いても高度が稼げない。やがて正面に堰堤が現れ、それに塞がれるように道が消えた。5年前にこのコースを下った時には、古い木橋でヌク沢を渡ったのだが、なにやら様子が違う。それでも対岸の取り付き点に目印のテープを見つけ、少し上流にある貧弱な金属板を伝って対岸に渡った。
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シャクナゲのトンネル |
主稜線分岐 |
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一旦尾根に取り付くと長い登りが始まり、徳ちゃん新道分岐まで標高差500mを一気に稼いでゆく。休むところもままならないきつい登りだ。ようやく傾斜が緩みシャクナゲのトンネルが現れると、今度はトンネルの小枝にテントの入ったデカザックにが引っ掛かり悪戦苦闘。
分岐で一息入れ、地図を読むと主稜線まで更に600m登らなければならない。高度を上げるにつれ、ガスの中に突入したとみえて小雨がぱらついてきた。道も雪道になってきた。雨具を着込み、靴には軽アイゼンを付け完全武装で急登を登ってゆく。このあたりでは、先行していた登山者も難渋していると見え、休みながら抜かれるたびに「きついですねえ」が挨拶代わりだ。
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甲武信小屋 |
やっとこ主稜線に合流し、木賊山を越えて今日のテント場の甲武信小屋にたどり着いた。コースタイム5時間のところを6時間掛かっている。雪道で時間が掛かったのか体力が落ちたのか今日はヘロヘロだ。
テント場はほとんど埋まっていたが、運良く整地されていた場所に張ることができた。次に到着したオジサンは、雪に足を取られ直前で私に抜かれたのだが、スコップで雪の斜面を整地しなければならなかった....すまん。
ここからわずかの距離で甲武信ピストンが出来るが、こおガスの中で展望は期待できない。早々に夕食を摂り18時にはシュラフに潜り込んだ。 |
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2008.5.4
甲武信小屋535−550甲武信ヶ岳555−605甲武信小屋635−700木賊山−705稜線分岐−805笹平避難小屋815−910破風山915−945東破風山1005−1115雁坂嶺1125−1155雁坂峠1210−1330峠沢渡渉点−1355沓切沢橋−1500キャンプ場−1505道の駅みとみ1525−1530バス停西沢渓谷 |
早朝の甲武信ヶ岳山頂 |
雪のテント場 |
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覚悟はしていたが、夜半寒さで目が覚めた。コンロを点けると狭い室内はすぐに暖まる。コーヒーやスープを飲みながら暖を取る。ここまでは優雅なものだが、寒いとトイレも近くなる。雪道をトイレまで行くのはいかにもおっくうだが、近くで立ちションでもしたら、それこそヒンシュクものだ。特に雪の上では証拠が残ってしまう。切実な葛藤のなか意を決してトイレに出発した。大袈裟ではない。懐中電灯を手につるつるの斜面をへっぴり腰でトイレまで往復しなければならないし、トイレ前の雪の階段は崩れて足を踏み外すと怪我をしそうだった。それでも途中ふと夜空を見上げると満天の星が輝いていた。星の名前はわからないが、天の川がはっきりくっきり見え感動した。いずれも普段の都会生活では考えられない。
翌朝目を覚ますと昨夜の星空に反して、どんよりとしたガスに囲まれていた。昨日テントの受付には金峰山まで縦走して山中もう一泊と記入したが、こんな天気の中では予定変更だ。雁坂峠経由で今日下ってしまおう。どうも計画は緻密で立派だが、実行する段になってなにかと理由を見つけて、楽なほうに逃げてしまう。これをカミさんはB型だからしょうがないと慰めてくれる?
とりあえず証拠写真を撮りに行こうとテントから這い出した。やっぱり山頂はごらんの有様。
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笹平避難小屋 |
東破風山から国師ヶ岳 |
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山頂ピストンから戻り気乗りしないままテントを撤収した。木賊山まで登り返し、分岐を雁坂峠方面にすたすた直進した。ほとんどが樹林帯の展望の無い道だったが時々現れる露岩帯から展望が楽しめる。特に東破風山から眺めた国師ヶ岳は立派だった。悔しいかな、甲武信一帯のみがガスに覆われており予定通り金峰山まで行ってもよかったかなと一瞬頭を過ぎる。
さて、持参した金峰山用の登山地図では、この山域は地図の端にあたり東破風山から先の記述が無い。まさに先の読めない山行になってしまい大いに反省。東破風から雁坂峠までは下りだけだと思い込んでいたら、実際には雁坂嶺なる登り応えのあるピークがあった。いくら歩いても峠に出ない。そのうち登りになってきた。まさか峠を越したのでは?いや雁坂峠はもっと広々としていたはずだ。このあたりを歩いたのはもう30年前になる。
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雁坂峠 |
土砂崩れと倒木で廃道と化した登山道 |
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自信の無いまま雁坂峠までたどり着いて一安心。雪はまったく消え去り、木々の芽吹きが始まっていた。先ほどの冬の装いから一気に初夏を思わせる陽気だ。ここからは下りだけで楽勝と思ったら甘かった....。井戸の沢を越えジグザグと下るあたりから土砂崩れと倒木が登山道を塞いでいる。何とか踏み跡を拾っていたが、峠沢の渡渉点近くになってくるともう行けない。強引に新たなルートを開拓してなんとかたどり着いた。もっとも後から考えると、すれ違った大勢の登山者はそれほど疲れた様子は無かった。各ポイントにあった赤テープに頼ればあまり苦労無く通れたのかもしれない。
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峠沢渡渉点 |
ようやくまともな登山道 |
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渡渉点で左岸に渡り、もうひとつ小沢を渡ると、ようやくまともな山道になる。更に沓切沢橋まで来ると立派な舗装道路になる。後はだらだらと長い林道歩きの末にバス停までたどり着いた。
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沓切沢橋から舗装道路 |
キャンプ場 |
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山野草 |
ヘビイチゴ |
エイザンスミレ |
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タチツボスミレ |
ハナネコノメ |
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