鑓温泉から白馬岳
2000.9.14〜9.17

三連休前日に急遽名古屋へ出張。
並のサラリーマンはこれで山行を断念するのですが、
え〜い、行ってしまえ!と出張先から白馬へ。
スーツ姿にザック背負って家を出る時に、
息子から「本当に仕事に行くんだよね。」と念を押される始末..。
商談を終え、JR名古屋駅で山登りスタイルに変身。
塩尻で「ちくま」から「アルプス」に乗り換え5:39に白馬に着きました。
今回の「お題」は鑓温泉と蓮華温泉を結ぶ露天風呂ツアーです。
雨にたたられ、途中で断念。大雪渓をへっぴり腰で下りました。



9.15 JR白馬駅−猿倉−日向のコル−鑓温泉
9.16 鑓温泉−大出原−鑓ヶ岳−杓子ヶ岳−白馬岳テント場
9.17
白馬岳テント場−大雪渓−白馬尻−猿倉−八方−JR白馬駅

白馬鑓温泉 高山植物


白馬村 http://www.vill.hakuba.nagano.jp/
白馬村観光連盟 http://www.outdoor.co.jp/trekking/hakuba/hakuba1.htm
アルピコ(松本電鉄) http://www.alpico.co.jp/
京王バス http://www.keio.co.jp/bus/

山行記録

9.15
JR白馬駅6:45−7:10猿倉7:30−7:45分岐−9:40日向のコル−9:50雷岩(双子岩)10:10−11:00杓子沢11:10−11:40温泉下11:50−12:10鑓温泉テント場

猿倉荘脇の登山口
猿倉は登山客であふれていましたが、それでも最盛期の1/3くらいでしょうか、シーズンオフとあって団体客がいませんでした。ここ猿倉では登山届を提出する際、相談員が丁寧にアドバイスしてくれます。
白馬尻へ続く林道に出てしばらく進み分岐から鑓温泉へ向かいます。このコースは下りで使われることが多く、前後する登山者は数パーティしかありません。日向のコルまでは見通しの利かない樹林帯を歩きます。しかし随所に水場があり、私にとっては好ましい道です。

雷岩から不帰方面 雷岩から鑓、杓子
日向のコルは盛夏にはキスゲの群生が見られるそうですが、この季節はじめっとしたぬかるんだ場所でしかありません。休憩を取るなら、少し先の双子岩(道標には雷岩)がお勧めです。木陰にある小さな岩場ですが正面に鑓、杓子がそびえる絶好の展望台です。

杓子沢の展望台もこのありさま
ここから温泉下まで、小さなアップダウンを繰り返しながらサンジロ沢、杓子沢、鑓沢を横切ります。杓子沢にはまだ雪渓が残っていました。無理すればベニガラの残る雪渓の上を通過できそうでしたが、ここはロープに沿って上流に回り込み仮設の木橋を渡ります。周囲は雪渓の残した浮石が多く、休むには渡渉点手前にある見晴らしの良い大岩の上がお勧めです。ただし、雪渓からは絶えずガスが昇り、せっかくのシャッターチャンスもごらんのありさまです。

「温泉下」の道標のあるあたりは、9月と言うのにお花畑が残っていました。近くには雪解け水の流れる小沢もあり、盛夏には多数の登山者が群がるところでしょう。しかし、今日はオフジーズンのガスの中で幻想的な雰囲気。お花畑の中を一登り。温泉からあふれ出た温水が流れる、もうもうと湯気があがる小沢を渡ると、鑓温泉小屋は目の前です。 温泉下のお花畑 鑓温泉小屋


9.16 
鑓温泉テント場6:30−7:20大出原下7:30−8:30大出原8:40−9:15稜線分岐9:30−10:00鑓ヶ岳10:15−12:00白馬岳テント場

登山道から振返る鑓温泉
昨夜は月夜だったのに、いつ降り出してもおかしくない天気です。目標の蓮華温泉まで持ちそうにもありません。行けるところまで行ってみましょう。小屋の左を回り込むようにしていきなり急登が始まります。梯子や鎖場があらわれますが、しっかりした道です。

大出原 稜線分岐
潅木を抜けると急に視野が広がります。大出原の下部になるのでしょうか、周囲にはチングルマが群生していて、盛夏にはお花畑であることをうかがわせますが、稜線まで急な登りは続きます。

鑓ヶ岳 鑓ヶ岳ピーク
鑓ヶ岳のピークで休んでいる白馬岳から鑓温泉に下る登山者に聞くと、昨日は快晴だったが、太平洋側を北上する台風17号の影響で天気は下り坂だそうです。今日中に下山する人が殆どです。

杓子岳の縦走路を振返る 最低鞍部から丸山
行動中の大半は風にあおられたガスが横殴りの雨のようでした。丸山まで来ても白馬岳は見えず、天候の回復は望めそうもありません。蓮華温泉はあきらめて白馬でテントを張ることにしました。

閑散としたテント場 剣と毛勝三山
まだ昼下がりなのに夕暮れ時の暗さです。ここのテント場は窪地になっており上空から吹きこんだ風がめちゃくちゃな動きをします。風と格闘しながらようやくテントを張り終えたころから雨が一層強まりました。



9.17
白馬テント場6:30−8:40白馬尻9:00−9:40猿倉// 猿倉10:05発のバスで八方へ

稜線から葱平への道
小雨の中、テント撤収し白馬尻へ向かいます。先月ここを登った時には、登山道は登山者が数珠つなぎになっていましたが、シーズンオフには閑散としたものです。葱平までは岩ゴロゴロの歩きにくい道が続きます。途中の避難小屋に立ち寄ると、昨日の雨でビバークしたパーティなのでしょうか、中にシュラフやコッヘルが見えました。

大雪渓終点
雪渓は所々にクレバスが覗き、ずいぶんやせていましたが、それでも原型をとどめています。スプーンカットの雪面は固くしまり、その上小雨降る早朝とあって「つるつる」滑ります。今回は不覚にもアイゼンを持ってこなかったので出来るだけ夏道をたどることにしました。マーカーに沿って雪渓左側の斜面に続く夏道を下りますが、1900m付近でそれも消え、へっぴり腰で雪面に立ちます。おっかなびっくりの歩みに雪渓が長い距離に感じられました。

猿倉
白馬尻小屋で時計を見ると2時間で下ったことになる。ここまでくれば猿倉は40〜50分とラスト1ピッチ。バス時刻を逆算し、ホットミルクを注文しストーブで暖を取ります。TVはオリンピック一色。金メダルの田村亮子にケチを付ける気は無いが、オリンピック代表として4回も挑戦できるとは、柔道はそれだけ競技人口が少ないってことかなあ〜。猿倉からバスに乗り込み八方で下車。温泉に浸かって白馬駅12:49のあづさで帰京しました。今度は秋晴れの中、挑戦したいコースです。



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