山行記録
2000.8.5
JR白馬駅5:30-6:00猿倉6:20-7:20白馬尻7:30-11:00避難小屋11:10-12:20白馬岳テント場
早朝の白馬駅前 猿倉 久しぶりに新宿23:20の夜行急行アルプスを利用しました。昔は何時間も前から行列を作って乗りこんだものですが、今日は発車直前でも悠々と座れます。その上特急の2人掛けシートでなんとなく得した気分。大町を過ぎた頃から空が白んできます。白馬駅を降りると白馬三山が正面にそびえ、手招きします。バスに乗り込み30分で猿倉に到着しました。

白馬尻 白馬尻を出発
登山道は猿倉荘左手から始まりますがすぐに林道に合流します。左に鑓温泉への分岐をわけしばらく歩むと、小蓮華から白馬の稜線が現れます。林道終点から山道に入り、小沢を渡ると白馬尻。ここから本格的な山登りが始まります。

白馬尻から10分登ったあたりから雪渓に取付きます。ここからは標高差約600mを3時間近くかけて登ります。傾斜は緩くアイゼンなしでも大丈夫です。
スプーンカットを拾って、ぐんぐん高度を稼ぐと言いたい所ですが、一人歩きの気楽さから(?)、雪渓上に転がる手ごろな岩(落石予備軍ですから本当は危ないんです。)を見つけてはすぐに小休止してしまいます。
雪渓の両側の山肌はニッコウキスゲやシナノキンバイが咲き乱れ黄色い絨緞のようで、まさに別天地です。そんなこんなで、親子連れに抜かれ、ツアーの団体さんにも抜かれ、一向に前に進みませんが、ようやく雪渓終点に到着しました。人工落石防止のため、パトロールがこの先の葱平で休むようスピーカーで促しますが、付近を流れる雪解け水の魅力にはかないません。周りは急なガレ場ですが、あふれんばかりの登山客が僅かなスペースを見つけては休んでいます。
大雪渓 大雪渓終点 雪解水とシナノキンバイ 小雪渓

お花畑避難小屋
小雪渓を渡ると真新しい避難小屋が出来ていました。水場はすぐ近くを流れる流水です。トイレも完備されていますが今日は使用禁止とのこと。(一番のトップシーズンなのに.......?)

お花畑 稜線直前の「がんばれ」
避難小屋を過ぎると正面には村営宿舎、振返ると杓子岳、鑓ヶ岳、足元はお花畑とデジカメは大忙しです。稜線までラスト一時間の急な登りです。疲れて景色も何もどうでもよくなったころ、「ガンバレ」のペンキに励まされ、ようやく村営宿舎にたどり着ました。

テント場
テント場はこの裏手の窪地にあります。稜線側の山肌にはお花畑が広がり、近くの丸山に登れば素晴らしい眺望が楽しめ、ロケーションとしては絶好です。トイレは隣接する宿舎のトイレを利用しますが水場は少々遠く、登り返した宿舎前の流水を利用します。これだけ登山者が多い山域のテント場の割には貧相な施設です。



雨上がりの白馬稜線

剣、雲湧く夏山 白馬山頂 杓子岳と鑓ヶ岳をバック ケルンの向うは剣

山の天気は変わりやすい。13時頃、ビール片手にテントを張っていると、何の前触れも無く突然雷雨がやってきた。ポタリときて2~3分後にはものすごい稲光と雨、いやアラレまで降ってきた。夕立にしては度が過ぎている。この山域がすっぽりと積乱雲の真っ只中にいるらしい。どうにかテントにもぐりこんだものの雷鳴が喧しくてお昼寝どころでは無い。少々ビビリながら待つこと2時間、ようやく雨が上がった。

杓子岳と鑓ヶ岳 丸山から白馬岳

<おまけ>
トイレの落書きから3点。標高3000mのトイレだけあってシモネタはありませんでした。
-「ケツを風がなででゆく。山のトイレのすがすがしさよ。 詠み人知らず 」 
-「全国の山岳部諸君 部員が少ないと言ってめげるな!
  それにしても中高年にはこんなに人気が有るのに
  なんで中高生には人気が無いのかなあ  某高校山岳部」
-最後は短くたった一言、「石川県某有名高校山岳部全員  帰りたい。」



2000.8.6
白馬テント場4:00-4:30白馬岳山頂4:45-5:10三国境-5:55小蓮華岳6:00-7:00
白馬大池7:10-8:40蓮華温泉 蓮華温泉9:40発バスで帰京

黎明の小蓮華 朝日方面
バス時刻を計算し、ヘッドランプを点けての出立です。まだ暗い中、白馬岳山頂への道はご来光を迎えようとする登山者の灯りが続いています。白馬岳の山頂はその美しい山容に比べると狭いピークでごったがえしていました。5時ちょっと前に日の出です。

三国境付近から雪倉岳 遠くには後立の山々
細い岩稜の馬の背を越え、三国境で雪倉岳への道をわけます。周囲はなだらかな砂礫帯でコマクサの群生地です。小蓮華手前のコルから振返ると白馬三山が荒々しい山肌をさらします。良く見ると鹿島槍はじめ後立の山々、更に穂高から槍ヶ岳までもが遠望され大感激。


白馬大池
小蓮華山頂から見る白馬大池はハイ松帯と残雪模様に彩られ箱庭のようです。まじかに見えますが、小ピークが連なりなかなか着きません。雷鳥坂を下り雪田に沿って進むとようやく池の畔に建つ白馬大池山荘に着きます。こじんまりした雰囲気の良い山荘で、前の広場はテント場になっています。


ハクサンコザクラ お花畑
周囲にはまだ残雪が残りハクサンコザクラのお花畑が広がります。
すでに7時を回っています。9:25のバスを逃すと次は2時間後。その前に温泉に入るにはここで長居するわけにはいきません。分岐に戻り樹林帯の中を下ります。


蓮華下りから雪倉、朝日 蓮華温泉ロッジ
朝露に濡れ少々すべり易い岩ゴロゴロの道です。木々の切れ間からは残雪の雪倉~朝日にかけての稜線が見え隠れします。途中、明るく開けた天狗の庭を過ぎると道は原生林の中、急な下りになります。湯煙上がる源泉帯や蓮華温泉ロッジの赤い屋根が見えるとゴールは間近です。


平岩行き 大糸線
バス時刻ぎりぎりまで露天風呂で粘ったおかげで、お風呂は貸切状態でしたが、バスは既に補助席まで満席。私の乗車と同時に発車です。ようやく充実した山旅を終えました。





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