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2009.05.02 |
今年のGWはカレンダーの関係で5連休しかない。そのうえ会津の実家に帰る用事が出来て、変則的な予定を組んだ。久しぶりにテントを背負って出掛けたのは袈裟丸山、以前より暖めてきた山域だ。桐生からわたらせ渓谷鉄道なるローカル線に乗り込み八重桜が満開の沢入駅で降りた。もちろん無人駅で、駅前には店も無い。ここから塔ノ沢登山口まで一時間強の林道歩きだ。この山はコースタイム往復6時間半と日帰りの記録が殆どだが、アンチマイカー派の私が5時半に横浜弘明寺の自宅を発って、登山口に着いたのは12時。どうしても山中一泊になってしまう。さて予定の小丸山を越えた避難小屋までたどり着けるか、いざ出発。
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わたらせ鉄道 沢入駅 |
塔ノ沢登山口 |
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このコースはその名の通り、登山口から賽の河原まで沢に沿ったコースだ。まだ芽吹き前だが、あと一ヶ月もすれば、鮮やかな緑に包まれるだろう。道は良く整備されており、危険箇所はまったく無い。清流の瀬音を聞きながら、足元にはニリンソウの群生が続いている。夏を思わせる日差しは強いが、涼風が吹き上げて汗ばむことも無い快適な道だ。
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寝釈迦 |
沢沿いの道 |
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寝釈迦は標識が無ければ知らずに通り過ぎてしまうような、沢沿いの小さな岩峰の上に刻まれていた。こんな足場の悪いところによく造ったものだ。広い河原に下りて一休み。今日の行程はこれからだ。コースは小沢をからめて右左と渡渉を繰り返しながら登ってゆく。稜線が近づくとしだいに沢から離れてゆく。登り詰める少し手前に、カラマツ林に囲まれた新旧二棟の避難小屋がある。水場は登山道手前を横切る流水のようだ中を覗くと先行者のザックが置いてある。ここをベースに山頂まで往復しているのだろう。まだ14時だ。予定通り次の避難小屋まで進むことにしよう。
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避難小屋 |
避難小屋新棟内部
ポインタ置くと旧棟内部 |
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一登りで大勢の登山者が休んでいる賽の河原に着いた。殆どの方がここで合流する折場口コースを利用しているようだ。皆帰り支度でこれから登るのは私一人。ここから小丸山までの稜線歩きが今回山行のハイライトだろう。左手前方に袈裟丸山を望みながら広い尾根道を歩いてゆく。残念ながらヤシオツツジには半月ほど早かったようだ。
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賽の河原 |
袈裟丸山 |
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小丸山はショートカットしようと巻道を探したが判らないまま山頂にたどり着いた。なんてことない小ピークだが、展望はすこぶる良い。男体山から白根まで日光の山並みが一望できた。ここでコースは左に90度折れ、今日のネグラへ下ってゆく。
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小丸山 |
小丸山から日光白根 |
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黄色い避難小屋に到着した。周りは白樺に囲まれた気持ちの良い鞍部だ。2名に先行者と言葉を交わす。一人はこの先まだ前進するらしい。採水して去っていった。一人はピッケルを持ち白根から縦走してきたと言う。袈裟丸ピストンの私に比べるといずれもツワモノだ。
小屋の内部は小奇麗ではあるが、ドラム缶の中のような圧迫感は好きになれない。ここまで背負ってきたテントを引っ張り出して設営した。テント場でウトウトしていると、なにやら周りが騒がしい。顔を出すと近くを鹿がうろついていた。こちらが少人数だと思っていい気になっているらしい。軽やかな足取りとは言い難い、ドスドスという重厚な響きだ。
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鞍部の避難小屋
ポインタ置くと内部 |
鹿 |
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2009.05.03 |
袈裟丸山(前袈裟丸山) |
武尊山 |
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この頃は日が長くなったようで、4時を過ぎるとあたりが白んでくる。僅かな荷物を持って山頂までピストンした。まだ誰も歩いていないが、鹿は相変わらずドスドス走り回っている。
山頂では朝もやが掛かっているのか、遠望は効かなかった。後袈裟丸までのコースは難所があり一応立ち入り禁止になっているを理由に、今回の山行はここまでにしよう。
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バイケイソウ |
沢入駅 |
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戻ってテントを撤収すると6時。微妙な時間だ。3時間弱で駅に着けば、電車バスを乗り継いで鳴神山に登れるかもしれない。最後は少し走りながら沢入の駅に転がり込んだ。
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