茅ヶ岳、金ヶ岳
2004.11.20

20日土曜日に開催されたDWVのOB会に出席した。山の帰りに中央線を高尾で京王線に乗り換え調布で降りると、久しぶりに訪れた駅前はすっかり変貌し「なんじゃこりゃあ」の感があった。おりしも調布祭で賑わう学内を抜け、会場で受付を済ます、どっかで見たことのある人がいる。あれえ〜薮内さん?こちらは大橋さん?私もすっかり頭が寂しくなってしまい人のことは言えないが、二十数年ぶりの再開にすっかり風貌が変わって思い出せない人もいる。最初はぎこちなかったが、しぐさや話し方は昔のまま。5分もすればすぐに青春の一コマに戻ってしまう。特に、一緒にテント生活した前後2年くらいの世代とは話題が尽きない。そんな時盛り上がるのはxxxさんにいじめられた話やxxxから落ちたトホホ話。失敗談のオンパレードにすっかり時間を忘れてしまった。幹事さんご苦労様でした。ところで野口さん窪田さん、布田連盟の忘年会はたのんまっせ。
今回登ったのは茅ヶ岳です。前日金曜に甲府某社で商談をこなし、そのまま甲府で泊った。バス・トイレ付¥3,300とあってかなりおそるおそるチックインした。まあカプセルよりは、荷物を広げられるだけ上等か?この日は一日中雨模様で気をもんだが、翌土曜日は快晴となった。韮崎駅のホームから目指す茅ヶ岳がくっきり見える。茅ヶ岳は隣の金ヶ岳へ連なった峰を持ち、その姿から「ニセ八ツ」と呼ばれている。否が応でもアドレナリンが沸いてくる。8時台の穂坂までのバスを待つとOB会に間に合わない。宿泊費をケチった分、奮発してタクシーで登山口まで直行した。深田公園で支度を整えいざ出発。
空は晴れているが、女沢の谷底を進む道は日陰でうすら寒い。女岩で休んでいると単独行の女性が登ってきた。今日初めて挨拶を交わす登山者だ。歩くペースは似たようなものだが、休むたびに煙草を吸う分遅れを取ったようだ。この先私が山頂に到着すると彼女が出発するを繰り返した。嫌われたのか?はどうでも良いが、無断で山頂写真モデルになって頂いた。さて女岩から本格的な登りになる。急登を稜線に辿り着くとすぐに、イワカガミの花を愛でた会話を最後に亡くなった「深田久弥の終焉の地」がある。ランの花やお酒が手向けられていた。私は彼の信奉者ではないが、大先輩に敬意を表したい。茅ヶ岳は展望が良い。富士山や八ヶ岳はもちろんだが、金峰山をはじめ奥秩父を眺めるには随一だろう。山頂から千本桜方面の道が下っている。天気が悪かったらここから逃げるところだが、ガイドブックにあるように桜の季節のお楽しみとし、更に北上して金ヶ岳に向かった。金ヶ岳は茅ヶ岳より60m程高いだけだが、痩せ尾根を大きく下って大きく登り返す。殆どの登山者は深田公園駐車場から茅ヶ岳に登ったついで金ヶ岳までやってきて、そう変わらない展望を「なあ〜んだ」と確認して帰るというパターンのようだ。写真を2〜3枚撮ると早々に戻ってゆき、金ヶ岳山頂から明野に下るのは私一人だ。金ヶ岳からしばらくは露岩が現れる。右側は爆裂火口跡なのだろう。スッパリ切れ落ちて気が抜けない。正面に鳳凰三山を眺めながら下ってゆく。十時を回り、昨日の雨は日に照らされて水蒸気になり、雲となって湧き上がってきた。ドンドコ沢辺りから沸く雲に山頂の向こうに白い頭を見せていた北岳はすっかり隠れてしまった。やがて道はなだらかになり、カラマツ林から林道に飛び出した。ここからは一本道を明野方面に下る。広域農道を左に折れ「茅の湯」に到着。時間が早くガラガラの大広間で昼寝をしながら韮崎行きのバス時刻を待った。



山行記録
2004.11.20
韮崎6:15==(Tax\2810)==6:35深田公園駐車場6:55−7:50女岩7:55−8:25稜線8:30−8:35深田久弥終焉の地−8:45茅ヶ岳8:55−9:35金ヶ岳南峰−9:45金ヶ岳北峰10:15−11:15林道11:20−12:10茅の湯13:48==(Bus\500)==14:09韮崎
深田記念公園駐車場
タクシーの運ちゃんの話では紅葉の時期には大型バスが並ぶと言うがこの時期は閑散としたものだ。ここから左に延びる林道に入る。

案内図
深田記念公園
登山コースの分岐にザックを置いて公園に立ち寄った。東屋とベンチがある。「キャンプ禁止」

記念公園
谷間の道
林道は廃屋の残る開拓地跡を過ぎ一旦千本桜へ延びる幅の広い林道を横切る。女沢は次第に狭くなり日の差さない道は薄ら寒い。
女岩
行く手に大きな女岩と呼ばれる大岩が立ちはだかる。岩の割れ目から水流が滴り落ちる。このコース唯一の貴重な水場だ。離れて見ると、なるほど。そう見えなくも無い。
稜線直下
登山道はこの女岩の右を高巻くように延びている。ここから本格的な登りだ。冬枯れの林をジグザグに登ってゆく。女岩で休んでいる間に抜かれた単独行が見えるが追い付けない。稜線が近づくに連れて日が差してきた。さっきまで寒かったのに暑い。Tシャツ一枚になる。
稜線
大明神岳と茅ヶ岳の鞍部になるらしい。眼前に奥秩父の峰が見える。ここから山頂までは僅かな距離とまたまた一服。
深田久弥終焉の地
お酒やランの花が供えてあった。あたりを見ると、なるほどイワカガミの葉が見つけられる。深田久弥と言えば大昔の人かと思っていたが、亡くなったのは昭和46年とある。私が大学に入り山を始めた少し前のことだ。
茅ヶ岳山頂
少々手狭な山頂は、背の低い潅木に囲まれている。立ち上がりぐるりと見渡すと展望が良い。よしょと座ると居心地が良い。
茅ヶ岳山頂から
金峰山 曲岳 富士山 鳳凰三山 金ヶ岳と八ヶ岳+槍穂

金ヶ岳
金ヶ岳へ向かうには一旦下ってから登り返しが待っている。おいおいまだ下るのかよ。並んでいたはずの金ヶ岳がだんだん高くなってゆく。
石門
木々に囲まれ遠目からは判らないが、金ヶ岳はゴツゴツした岩山だ。巨岩をよじ登ったり巻いたりしながら進んでゆくと石門がある。コースはここを潜って進む。
金ヶ岳南峰
金ヶ岳は3つの岩峰が連なっている。南峰は展望は無いが、三角点があり観音峠への分岐となっている。峠へのコースは危険の立て札があった。
金ヶ岳山頂
富士山側と鳳凰三山側が開けているが他は木々に遮られている。展望を求めるなら茅ヶ岳だけでも充分だ。公園からのピストン組が殆どで、皆早々に来た道を引き返してゆく。
金ヶ岳下り
写真では判りずらいが右側は爆裂火口跡でスッパリと切れている。眺めは良いが気が抜けない下りだ。
カラマツ林
道は次第になだらかになりカラマツ林を行く。時折車の音が聞こえてくる。もうゴールも近い。
休憩舎
外観はそこそこきれいだったが、内部は薄汚れて入るのに躊躇した。車の往来するところなのだから、その気になれば整備できるのに...自治体の怠慢か?使う人のモラルが低いのか?
明野村ふれあいの里
休憩舎の近くまで「ふれあいの里」が広がっていた。黄金色のカラマツ林にコテージが立ち並ぶ様はヨーロピアンスタイル。
畑の向こうに八ヶ岳
迷いようの無い一本道をとっとこ下る。右手には八ヶ岳が裾野を広げている。午後の日差しに山頂は残念ながら雲が掛かっていた。
登った山を振り返る
山梨県フラワーセンター越しに今日登った茅ヶ岳と金ヶ岳が見える。この向かい側に「茅の湯」がある。さあビールだ。温泉だ。
明野ふるさと太陽館 茅の湯

太陽館と銘打つだけあって、屋根には太陽発電が設置されている。ちなみに旧明野村は日照時間が日本で一番長いそうだ。今日もサンサンと日が照っていた。展望風呂からは鳳凰三山がバッチリ見えた。変わっていたのは脱衣所が畳敷きだったこと。メンテが大変だろうが、お年寄りにはやさしい施設とお見受けした。土曜の昼下がりで来場者は少なかった。浴場も大広間もガラガラ。バスを待つ間お昼寝タイムを楽しんだ。

大人入浴料 ¥700

太陽館 脱衣所 展望風呂




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