鳳凰山(観音岳)
2007.4.29-30


観音から白根三山、農鳥の左には赤石岳
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2007.4.29
夜叉神峠登山口1035−1135夜叉神峠1145−1320杖立峠(道標)1325−1530苺平1535−1600南御室小屋
2007.4.30
南御室小屋450−650観音岳710−810南御室小屋840−1105夜叉神峠1125−1200夜叉神峠登山口







2007.4.29
夜叉神峠登山口1035−1135夜叉神峠1145−1320杖立峠(道標)1325−1425火事場跡1440−1530苺平1535−1600南御室小屋



甲府駅発のバスを終点夜叉神峠登山口で降りると広い駐車場はすでに車で埋め尽くされていた。ここから夜叉神峠まで約一時間と軽いハイキングコースだ。この時期には登山道の両脇にニリンソウの群生が咲いているそうだが、今年は4月に入り不順な天気が続いたせいか、数えるほどしか咲いていない。

ヘビイチゴ or ツルキンバイ(?)

ニリンソウ


夜叉神峠
峠までのハイキングを楽しむ行楽客に混じって歩き始めた。初夏を思わせる日差しに早くも汗だくになってしまった。夜叉神峠に着くと、昨日までの悪天候が嘘のように広がる青空と、雪を被った白根三山が迎えてくれる。皆、思い思いの場所に陣取りランチタイムを楽しんでいるが、視線は一様に白い峰々に向けられている。

火事場跡
カラマツ林の中を少し下り、登り返して二重稜線になるあたりから、薄暗い樹林帯の中をだらだらした単調な登りが始まる。やがて登山道に雪が現れた。積雪量はたいしたことないが、透き通ったシャーベット状になっており危なっかしい。早々に簡易アイゼンを付けた。
杖立峠で一息つき、少し下って再び登り返すと樹林帯が途切れ、視界が広がる。過去の山火事の跡だ。このあたりは日当たりがよくアイゼンも無用の長物だ。鉄パイプを組み上げた道標のあたりが白根三山を望む絶好の展望地だ。

雪道

雪に埋もれた苺平の道標

火事場跡を過ぎ、再び薄暗い樹林帯に入ると雪がだんだん深くなってきた。苺平の鉄パイプ道標も頭を僅かに雪面に覗かせているだけだった。1mほど積もっているに違いない。木の枝に雪がへばり付いているところを見ると、まだ若い雪だ。昨日の悪天候に降った雪だろう。
南御室のテント場はすっぽりと雪に覆われていた。既に夕刻だが、ポカポカ陽気に、雪面にシートを敷いて日向ぼっこをしながら宴会をしているパーティもいる。この日はクラブの合宿と思わせる高校生の団体が続々と到着し、テント場は5割方埋まったようだ。

南御室小屋 南御室小屋テント場





2007.4.30
南御室小屋450−530ガマ岩−600薬師岳小屋−610薬師岳分岐620−650観音岳710−810南御室小屋840−920火事場跡940−1010杖立峠1015−1105夜叉神峠1125−1200夜叉神峠登山口


うたたねのつもりで夕方6時にシュラフに入ったまま熟睡してしまったようだ。そんなに何時間も寝ていられない。夜半に目が覚めたが、まだ1時を廻ったばかりだ。ガスを点けると狭いテントは直ぐに暖かくなる。コーヒーを飲みながら推理小説を読んでいたが、尿意には逆らえない。意を決して、外に出ると、寒々とした夜空に満天の星が輝いていた。花の名前はずいぶん覚えたが、星座の方はからっきしで、唯一知っているのは北斗七星だけとは情けない。今日も天気が良さそうだ。
テントを背負って縦走して御在所鉱泉に降りるプランも考えたが、早朝薄暗い中テントを撤収するのは面倒だし、観音岳ピストンとした。4時半になり、ようやくあちこちのテントで朝食の準備が始まったころ、外が白んできたのを見計らって出発した。


砂払岳から薬師岳

薬師岳小屋

小屋を出ると直ぐ凍結した急登が待っているが、長い距離ではない。やがて緩やかな樹林帯の登りになる。5時少し前だろうか、ようやくうっすらと雲がたなびく向こうに赤い色をした太陽が出てきた。
ガマ岩を過ぎ、樹林帯の中を高度を上げて行く。砂払岳手前あたりが森林限界らしい。花崗岩のオブジェや背丈ほどの這松に囲まれた絶好のビザークサイトが点在するが、無粋な「キャンプ禁止」の赤ペンキが景観を壊している。

薬師岳から観音岳 雪に埋まった薬師小屋から、10分も登ればどこがピークは判別しない広々とした台地の薬師岳に着く。この一角にある花崗岩の大岩のいずれかが山頂なのだろう。ここから観音岳まで、自然の作った庭園の中を緩やかな登りが続く。稜線のあちこちに三脚を立てたカメラマンがいる。直下の薬師小屋を拠点に撮影しているのだろう。その一人に聞くと、この稜線は一昨日は大荒れで風雪のためまともに歩けなかったそうだ。一日予定をずらして大正解だった。

さて観音岳のピークに立ち、ぐるり360度の展望を楽しんだ。甲斐駒の後ろに北アルプスが白い屏風のように並んでいる。その左には乗鞍。仙丈岳の右には御岳、左には木曽駒が見える。農鳥の左に一層白い峰が見えた。帰って調べると赤石岳のようだ。ここ鳳凰山は数回訪れているが、こんなに展望の利いたのは初めてだ。以下山頂からの写真を掲載する。
八ヶ岳 富士山
白根三山 仙丈岳 甲斐駒ヶ岳

さて展望を楽しんだ観音岳から小一時間でテント場に戻った。閑散としたテント場で急いで撤収作業だ。今日も朝から日差しが強く、雪の上というのにポカポカ暖かいのはありがたい。バス時刻からどう逆算しても2時間以上登山口で待たなければならない勘定だ。登山口にある「夜叉神の森」でゆっくり鉱泉に入って時間を潰そうと思ったら、給水が故障して入浴まで一時間かかると言われてがっかり。
運良く夜叉神峠で出会った福地さんの車に同乗させて頂き、芦安温泉ロッジ経由で、竜王駅まで送って頂いた。これで予定より2時間近く早く帰宅することができた。感謝感謝。またどこかでお会いしましょう。






鳳凰三山 薬師岳小屋・南御室小屋
山梨交通