鳳凰三山
2004.10.10〜11



オベリスク

楽しみにしていた体育の日の3連休だったが初日は台風22号の影響で身動きが取れなかった。明けて日曜の早朝に自宅を発ち向かったのは鳳凰三山、20年ぶりのコースです。
バスが芦安に近づき御勅使川沿いに走ると車内ではどよめきが起こった。普段は清流で知られるこの川も、今日は土色の濁流が凄まじい勢いで流れていた。今回の山行は購入したばかりのソロテントの試用を兼ねている。今まではデスカウントショップで買った中国製\5,000のテントにお世話になっていたが、さすがに7年も使っているとくたびれてきた。なによりツーリング用だから重い上にがさばる。少しでも軽いテントをと、ケチな私にしては奮発した。大枚4万円をはたいて購入したまともなテントだ。初めての夜は南御室のテン場。さっそく設営して潜り込み、縦になったり横になったり、なかなか居住性もよく一人ニンマリ。しかしこの季節、寒さだけはどうしようもない。夜中に目が覚めるともう眠れない。やっぱり温泉が近くにある八ヶ岳本沢温泉や苗場の赤沢温泉のテン場が良かったかな?と悶々しながら長い一夜が明けた。
翌朝稜線に出る頃から雲が切れ、北岳が雄姿を現した。今年は雨にたたられてまともに景色を楽しめないことが多かったが、今日は90点の出来だ。このコースの醍醐味は花崗岩の白砂に覆われた稜線漫歩と白根三山の雄大な展望にある。ドンド沢から青木鉱泉に降りる予定だったが、もったいないので白鳳峠を広河原に降りた。地蔵ヶ岳を左に早川尾根に入ると、行き交う登山者の数はぐっと少なくなる。途中、高嶺のピークは絶好の展望台だ。前方に見える甲斐駒の姿には惚れ惚れする。振り返れば縦走してきた峰々が一望できる。いつまでも居座っていたかったが、このさき長い下りが待っている。さあ広河原目指してもうひと頑張り。
山行記録
2004.10.10
弘明寺6:00==6:14仲木戸/東神奈川6:19==7:13八王子7:15==7:22高尾7:25==9:18甲府9:30==(山梨交通\1380)==11:00夜叉神登山口11:20−12:05夜叉神峠12:25−13:30杖立峠13:40−14:55苺平15:00−15:30南御室小屋
夜叉神峠登山口
バスを降りるとあたりは霧で覆われていた。台風一過の晴天を期待していたが残念。既に11時、昼食代りとバタピーを食べている間に他の登山者はさっさと出発して行き一人出遅れてしまった。
夜叉神峠
正面に白根三山が聳え立つはずだが、雲に覆われている。下の駐車場からの往復組だろうか、子供会の団体が大賑わいで食事中だった。ここは定点観測のカメラが置かれネットでリアルタイム映像が配信されている。くれぐれも立ションなどしないように。
杖立峠
地図上では大崩頭山の肩にあたる場所だが道標の櫓には杖立峠の表記があった。どうりでコースタイムより早いわけだ。
火事場跡
昔の山火事の跡らしい。深い樹林帯が途切れ白樺などがまばらに生えている。展望も良いのだろうが、今日はガスの中。このあたりが紅葉の盛りだった。
苺平
シラビソの林の中でじめっとした峠。辻山への踏み跡が延びていた。今日の登りはここまでだ。後は南御室まで下り30分。
南御室小屋
シラビソの樹林帯の中にポッカリと開いた空間に立っている。前面に砂地のテント場がある。水場やトイレもきれいで快適なテン場だ。さっそくおニューのテントを建てる。
2004.10.11
南御室小屋6:00−6:35ガマ岩6:45−7:00薬師小屋−7:10薬師岳−7:35観音岳7:45−8:40アカヌケ沢ノ頭8:55−9:35高嶺9:50−10:20白鳳峠−林道11:50−12:00広河原12:05==(山梨交通\1210)==13:09芦安駐車場ー13:20金山沢温泉15:30ー芦安16:02==(山梨交通\960)==16:56甲府
南御室小屋
6時丁度に出発だ。まだ薄暗いが既に半分以上のパーティが出発していた。今日も出遅れ組みだ。
薬師小屋
砂払岳と薬師岳のコルに建つこじんまりとした小屋
観音岳へ続く稜線
白砂のなだらかな道を観音岳に向かう。脇には花崗岩のオブジェが並ぶ。燕岳を思わせる雰囲気だ。

観音岳からの展望
観音岳の山頂自体は岩が積み重なった何の変哲も無いピークだがその展望は圧巻だ。
富士山 仙丈ヶ岳
白根三山 地蔵岳と甲斐駒

赤抜沢の頭
観音岳からザレ場をとっとこ下る。右に鳳凰小屋への道を分け、一登りして赤抜沢の頭に辿りつく。オベリスクが正面に見える。ここから白鳳峠を目指し早川尾根に入る。
頭から雲海の向こうに八ヶ岳 頭からオベリスク

高嶺
ここもやせ尾根を一旦下って登り返す。標高差はたいしたこと無いが、手前の偽ピークに精神的に疲れる。ここが最後の登りだ。頑張ろう。手製の道標があるだけの寂しい山頂だが展望は一級品だ。

高嶺から甲斐駒

高嶺から白鳳峠

白鳳峠
早川尾根はこの先もアサヨ峰へと連なっているが、今回はここ白鳳峠を広河原に下る。
白鳳峠直下の源頭
峠付近の樹林帯を抜けるとゴーロ状の源頭に出る。広々としてまことに気持ちが良い。正面には北岳がドーンと対峙する。よく見ると二股から御池の巻き道も見える。
林道に出た
峠から下りは出だしは展望もよく快適な道だが、樹林帯に入るといやになるような急坂だ。野呂川の川面が見えてからが長かった。
広河原
12時丁度に到着した。出発間際のバスに飛び乗り芦安温泉へ。

o金山沢温泉
芦安駐車場のある温泉ロッジ広場から歩いて5分ほど先にある公営の日帰り温泉施設
バーベキュー場やフリークライミング人工壁などがある公園の一角にある。
温泉施設は小ぶりながらも、見晴らしが良く開放感ある露天風呂がある。
レストランが無く食事が取れなかった。ビールなどお酒の自販機も無い。
たまたまガラガラだったのか?休憩所を独占して2時間ばかりお昼寝。
¥550(入浴料)+¥500(休憩)





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