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山行記録 |
2005.7.15
2335===能登===640金沢730+++940別当出合1000−1035中飯場1040−1200甚之助避難小屋1210−1240分岐1245−1340黒ボコ岩1345−1320室堂 |
今となっては数少ない上野発夜行列車に乗って金沢に向った。いくらか寝られただろうか?夜明けの白んだ車窓にはいつのまにか日本海が広がっていた。上野で見かけた登山者のほとんどは富山から立山に向ったと見えて金沢で降りた登山者はまばらだった。
途中大雨により5分遅れで金沢に着いたのが災いして、タッチの差で6:40のバスを逃した。次は7:30、一時間近く待たなければならない。バスを待つ間、小雨が降ったりやんだりで先が思いやられる。 |
金沢駅前 |
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別当出合 |
途中、白峰温泉や市ノ瀬で登山客を拾ったがそれでも乗車率は3割程度だ。最近はどこの路線もマイカー登山に押されて気味だ。海の日の3連休初日にこのありさまでは、路線バスの存続が危うい。
終点の別当出合いで登山者ノートにルートを書き込む。ここでは100%白山に向う登山者だから「砂防新道」や「観光新道」とそのルートを書き込むしくみだ。ノートには登りに展望の良い「観光新道」と書き込んでみたが、いきなりの急登にひるんでしまい、無難な「砂防新道」に急遽変更して吊橋を渡った。いくらも歩かないうちに雨が降り出した。
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途中、岩崎元郎ご一行様と遭遇した。失礼とは思ったが、お願いして一枚撮らせていただいた。彼は小柄な体型と頭のタオルがトレードマークで、いまや中高年登山者の教祖的存在だ。2年前の海の日に三国境近くでお会いしたことがある。 |
岩崎元郎ご一行様 |
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お花畑 |
さて甚之助避難小屋を過ぎ、南竜分岐からクロボコ岩へ向う辺りから、ガスの中に突入した。足元にはお花畑が広がっているのだが、何も見えない。それでもミヤマキンポウゲの群生がは大したものだ。ダメモトで何枚もの花の写真を撮ったがやっぱり出来は良くなかった。 |
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クロボコ岩、弥陀ヶ原、五葉坂を越しゴールの室堂に到着した。
早速、自炊棟に案内された。梅雨明前とあって半分くらいの混み具合だった。食事は室内中央のテーブルで作る。ミニサイズのマットレスと2枚の毛布が支給される。これで素泊まり¥5100は高い。夜中はイビキ、歯軋り、寝言の合唱である。やっぱりテントに限る。
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自炊棟 |
室堂 (夕方一瞬ガスが晴れた) |
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2005.7.17
山頂周遊(4:00-7:30) 室堂8:00−905南竜920−1005南竜分岐−1120別当出合1130++++1340金沢1340++++2100池袋 |
日の出を待つ山頂 |
室堂の朝は早い。日の出を山頂で迎えようと、まだ4時前というのに小屋の前には人が集まり、ざわついている。負けじと懐中電灯を手に列に加わった。しかし、雨こそ降っていないが厚い雲に覆われ何も見えない。とりあえず山頂の岩陰で風を避けながら、みんなの視線のほうを眺め、夜が白むのを待っていると、神主の装束を着た小柄なあんちゃんが一番大きな岩に登って白山の解説を始めた。風の強い中、大声を張り上げて、体育会系のノリである。毎日やっているのだろうがなかなか面白い。昔から噴火を繰り返しその大半を自ら吹き飛ばしてしまった白山は、本当は富士山より高く標高5000mもあったというクダリには笑えた。(以前私の故郷の磐梯山は3000mあったそうだ)そして、日が昇ったと見なして皆で万歳三唱して締めくくった。
昨日の自然観察員による周辺のレクチャーや日の出を盛り上げる神主さんは、なかなか大したものだ。
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室堂に戻り朝食を摂っていると、なにやら外が騒がしい。があああ〜ん。晴れている。元来、根がケチな性分で今回の山行には金が掛かっている。ろくな写真も撮れないで返ったら元が取れない。さっさと下るつもりだったが、予定変更し再度アタックすることにした。昨日来ご一緒したN夫妻に別れを告げ、(少々呆れ顔だったが)サブザックを背負って小屋を飛び出した。 |
戻ったら晴れている |
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とは言うものの同じルートでは芸がないと御池巡りの最短コースということで左の稜線を目指した。途中のお花畑には、イワカガミやクロユリが飽食気味に咲いている。花の写真を撮りながら、どうも道を失ったようだ。雪田を横切るところをそのまま登り詰めたのがまずかったようだ。とりあえず稜線までここを詰めてみようと飛び出したところは、山頂から北に延びる広い稜線だった。現在地を確認して一安心したところであたりを見ると、人知れず咲くイワツメグサやイワカガミの群生が感動的だった。
ところで、池の方向を眺めて見ると、まだ雪に覆われて水面が出ていない。しかもガスが出てきてこれ以上行動してもたいした写真は撮れそうも無い。踏み跡を拾いながら正規のルートに戻り、室堂に帰った。 |
室堂を振り返る 向こうには別山 |
イワカガミ群生 |
池は雪ノ下 |
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昨日の自然観察員の話だとハクサンコザクラが見れるかもしれない。南竜ヶ馬場に寄ることにした。
室堂から南竜ヶ馬場へは3つのルートがあるが、一番近いトンビ岩コースを取った。ルートは小屋の南端に延びている。高山植物の草原をルンルン下ってゆくとガスが立ちこめ大きな雪田に行く手を阻まれた。さあてどうなっているんだと目を凝らすと赤布の向こうにルートが延びている。慎重に雪田を抜けルートに戻って一安心。
あちこちに雪田が残っている。雪が溶けたばかりのところには新芽が吹いている。咲き始めたハクサンコザクラやコウジオウレンがここの主役だったが、あと1〜2週間後にはさぞ見事なお花畑になるのだろう。
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ホワイトアウト |
トンビ岩 |
南竜ヶ馬場 |
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南竜で時計を見ると一時は諦めた11:30のバスに間に合うかもしれない微妙な時刻だ。さっきまでは、せっかくここまできたら、ゆっくり楽しめば良いのにと思っていたのだが、工程の最終コーナーを回るといつも里心が勝ってしまう。南竜分岐からノンストップで飛ばし、別当出合到着するや上半身裸になり頭から水を被った。暑くて暑くて、まさに水冷で体のほてりを冷ましてバスに乗り込んだ。
来る時には狙ったバスに目の前で走り去られたが、帰りは順調だった。特に時刻表上では間に合うはずのない13:40金沢発池袋行き高速バスに乗り換え時間30秒で飛び乗ることが出来たのは超ラッキーだった。おかげで金沢土産を買う時間が無く、カミさんに渡したお土産は、高速バスの停まったSAで求めた富山のお土産だった。もっとも彼女が気づいたかどうかは定かではない。 |