祓川から鳥海山(2230m)
2013.7.21



東北で一番好きな山は鳥海山。遅くまで残る雪渓がおもしろいコースを作ってくれる。これまで鉾立コース、湯の台コースを経験したが、今日向かったのは祓川コースだ。北斜面を登るコースだけあって、7月後半というのにコースの7割は雪の上を歩くことになるマニアックなルートだった。雪道は登りより下りが怖い。私は軽アイゼンを付けへっぴり腰で降りてきたが、地元おっさんのストックをたくみにあやつりながら長靴で滑り降りる独特のスタイルに脱帽。

2013.07.21
祓川ヒュッテ8:25−9:00賽の河原9:05−9:20御田−9:35七ッ釜避難小屋9:40−10:30氷の薬師10:35−11:30七高山11:40−12:35氷の薬師12:40−13:05七ッ釜避難小屋13:10−13:35賽の河原−14:00祓川神社−14:05祓川ヒュッテ


高山植物

山行写真

駐車場はほぼ満車、今日の登山者の中では出遅れ組のようだ
駐車場から100mほど先にある祓川ヒュッテで登山届を出していざ出発

祓川ヒュッテの前に広がる竜ヶ原湿原
この木道の先から登山道が始まる

ヒュッテから5分も歩くと最初の雪田が現れる
迂回路でもあるのか?とコース取りに戸惑うが、地図では直進するしかない
先行者の踏み跡を拾いながら進むと、直ぐに目印の赤布を見つけて一安心

潅木帯を抜け「賽の河原」まで来ると次の雪田が現れる
地名から察するに谷間のガレ場なのだろうが今はすっかり雪に埋まっている

9時を過ぎ下山者とすれ違う

高層湿原「御田」に到着

あたりには水芭蕉の群生

帰りに雪田の裾にある雪解け水を集めた池に立ち寄った
雪が溶けると池塘が点在し、まさに「御田」になるのだろう

御田から七つ釜までの、この雪渓が一番急だった
ここは無理をせず軽アイゼンを使った
この辺りから次々と下山者とすれ違う

日が高くなるにつれ、立ち上る水蒸気が雪田を覆う
この祓川コースは歩き易い雪田を辿って高度を稼ぐのが特徴のようだ


康ケルン
この先から稜線を辿る康コースが分岐しているはずだが
確認できないまま、雪渓に沿って大雪路に入る

康ケルンのすぐ近く、木立に隠れるように建つ七ッ釜避難小屋

康ケルンの先も雪また雪

大雪路はあたり一面雪原が広がっている
所々にある赤布と、僅かに残る先行者の踏み跡を頼りに進む

こんなところでガスったら道を見失うだろう

大雪路から小雪渓に入る
このあたりが「氷の薬師」、斜度はそれほどでも無い

「氷の薬師」で雪渓が終わったと思ったら最後にもうひとつ残っていた
ガスの中を対岸に渡り、山頂へ続く稜線に取り付く

雪渓を渡ると石の階段が現れ、歩き易い快適な道になる
この辺りから雨になり雨具に身を固めた、帰路はこのあたりで雨具を脱いだ
要はこちらが勝手に雲の中に突入したのだろう

石段の径は長く続かない、山頂直下には「舎利坂」なる急登が待っていた
溶岩のかけらで覆われたザク道で、ずるっと滑る歩きづらい道だ
ガスの向こうに見える雪田のおかげで高山植物が豊富

溶岩が固まった脆い砂礫の道
ガスでルートを見失いかけるが、鎖を辿って繋いでゆく

七高山山頂
人の声がしたと思ったら、目の前に七高山山頂が浮かび上がってきた
すぐ近くに最高標高の新山が見えるはずだが、ガスで何も見えず
今日はここをゴールとしよう


高山植物