鳥海山
2004.8.15

お花畑

お盆休みの帰郷を利用して、今回狙うは鳥海山。東北2位の標高を誇り、山形・秋田の県境に位置する。カミサンの実家、東根からJRを乗り継ぎバスの出る象潟に向かう。新庄から延びる陸羽西線は最上川沿いに西進し、車窓からは最上川下りの屋形船が見える。終着駅の余目が近づくと秀麗な鳥海山が見えてくる。
いくつかある登山口から一番交通の便が良い鉾立口から登った。前泊した
肝心の山行はいまいちだった。降りてくる人に聞くと昨日は佐渡島まで見えたそうがだが、好天が続くなか、一番天気の悪い日に登ってしまったようだ。山頂はガスに覆われ何も見えなかった。今年はこんなのばっかりで少々不完全燃焼です。
山行記録
04.08.14 象潟13:25−16:05鉾立−鉾立山荘
象潟駅でいなほ5号から鉾立行きバスの乗り換え時間は僅か4分しかない。急いで改札を抜けると、鉾立行きの小型バスがやってきて直ぐに出発した。乗客は私とオジサンの二人だけ。車窓から鳥海山の雄大な姿と何処までも広がる日本海を眺めながら、バスは高度を上げてゆく。バス賃\1,500。
象潟駅 鉾立
鉾立は大きなレストハウスと駐車場があり、夕方と言うのに多くの観光客で賑わっていた。今日泊まる鉾立山荘は、その一角に建ちバス終点の目と鼻の先にある。部屋に通され荷を解いて一段落したが、素晴らしい眺望にじっとしていられない。カメラを持ってあたりを散策した。
展望台から鳥海山 日本海 象潟夜景
鉾立山荘は自炊寝具付¥1,890という公共の山小屋。風呂は無いが安いのがありがたい。シーズン中というのに2〜3割しか埋まっていなく、二段ベッドの4人部屋を一人で独占した。ロビーのTVでオリンピック観戦しながら、地元カメラマン氏と会話が弾んだ。同氏が撮ったというシュカブラのモノクロ写真が山荘のロビーに飾ってあった。四季を通して鳥海山に通っておられる常連さんだ。明日の天気を予想して頂くと、「いつもだったら早く寝て2時頃から登り、御浜で日の出を撮影します。明日は間違いなく雨。だからこうして飲んでます。」時計を見ると既に8時を過ぎていた。お休みなさい。
04.08.15
鉾立山荘4:20−5:24賽の河原−5:55御池6:25−7:05七五三掛7:15−7:30千蛇谷雪田−8:30御本社山8:55−9:10新山9:15−10:15雪田10:25−10:40七五三掛10:50−11:30御池11:55−12:40鉾立
4時に目が覚めた。他の宿泊者はまだ寝静まっている。天気は雨こそ降っていないが、どんよりとした曇り空だ。朝食は御浜小屋あたりで摂ることにして、さっさと山荘を出た。鳥海山を見ると、昨日は秋空が広がっていたのに、1500m付近から上は雲に隠れ、何も見えない。
登山道は過剰に整備されておりコンクリートで固められているが、おかげでまだ薄暗くとも足元を気にする必要は無い。
賽の河原あたりからガスの中に高山植物が現れるが、この暗さでは写真を撮っても無駄だろうと、先を急ぐ。
鉾立山荘

賽の河原を過ぎ道が緩やかになったころ、脇のヤブがガサゴソ動いた。登山口にあった「熊注意!」の看板を思い出しドキッとしたが、それにしても膝くらいのヤブに隠れるのでは背丈が低い。ウサギだった。登山道を横切って,向かいのヤブに
身を隠し息を殺してじっとしている。カメラを構えてチャンスを待ったが、小心者の彼は姿を現さなかった。
何も見えないガスのなかで、自家発電のエンジン音が聞こえてきたと思ったら、程なく御浜小屋に辿りついた。
ゴミを焼いているのだろう。異臭が鼻につく。
御浜小屋
七五三掛
御浜小屋、八丁坂、七五三掛と花の種類が多くなってきた。ハクサンイチゲとウメバチソウが同時期に咲いている。
千蛇谷へ下る
七五三掛分岐から外輪山コースを分け千蛇谷コース二に入る。お花畑の中だが、急な下りだ。落石注意。
千蛇谷雪渓
雪渓で覆われる千蛇谷もこの時期は僅か50m程の雪田が残るのみ。ルートはこの雪田を横切り左の尾根を登って行く。
御本社
ガスの中をひたすら登ると正面に要塞のような山小屋が現れる。正式には鳥海山大物忌神社と言うそうだ。社殿に併設した山小屋でしばらく天候の回復を待つが、好転の気配は無い。外輪山コースから湯ノ台に下る案も考えていたがこの天候では鉾立に戻る方が無難だろう。
胎内くぐり
ピークハントは好まないがここまで来たのなら最高峰の新山に登らないわけには行かないだろう。小屋で休んでいた他のパーティが行動を始めたので後を追った。登山道はそれまでと一変して荒々しい道になる。ペンキマークを頼りに大岩をよじ登る様に登ってゆく。山頂直下には「胎内くぐり」と呼ばれる岩の裂け目がある。ここを一旦下って登り返せば新山にたどり着く。
新山山頂
山頂というにはあまりにも狭い。宝剣岳並みだ。
鳥海山
皮肉なもので山頂を後にすると、徐々に天候が回復してきた。とは言え山頂に雲が残っているがこれでも今日のベストショット。
千蛇谷から登り返し
七五三掛けから仙人平方面
鳥海湖
「鳥の海」とも言う。高山植物の宝庫。
なだらかな石畳の道
賽の河原
鉾立が見える
鉾立登山口



お花畑


象潟町の観光案内
遊水の郷☆ゆざまち
鳥海国定公園観光開発協議会