下仁田駅 |
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今日目指すのは以前より気になっていた西上州の荒船山だ。変わった山容で山頂部が平らなその姿は軍艦や鯨に例えられる。
高崎から上信電鉄に乗り継いで下仁田駅に降り立った。ネギやコンニャクが有名で、いかにものんびりした町並みだ。ここから市野萱行き町営バスに乗り込み終点手前の三ツ瀬で降り、山行開始だ。 |
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三ツ瀬 |
相沢登山口 |
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三ツ瀬でバスを降りたのは私一人だった。ここから相沢登山口へは舗装道路を歩いて約40分の距離だ。てくてく歩いていると、白菜を抱えたおばちゃんから声を掛けられた。「一人で怖くないかい。鈴を持っているかね。」このあたりは熊の生息地だそうだ。「大丈夫。もう冬眠してるよ〜」とは言ったものの熊よけの鈴を慌ててザックから引っ張り出した。
相沢の部落を過ぎ、左手に延びる沢筋の道に入る。しばらく行くと祠の脇から右の尾根に取り付く山道が現れる。ここが登山口らしい。付近には2〜3台の駐車スペースがある。
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尾根沿いの登山道 |
中の宮 |
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薄暗い林を抜け尾根筋に出ると、木々から差し込む日差しがまぶしい。サクサクと落ち葉を踏む気持ちのよい日溜まりハイクの始まりだ。沢の水音も聞こえなくなり、知らず知らずのうちに高度を上げてきたことが分かる。
途中、中の宮と呼ばれる祠があった。ひときわ大きな大岩を背後に控えている。大岩と地面の間にはまるで根を張るように何本もの小枝が立てかけてあった。瑞牆山でも同じような光景を目にしたがどんな謂れがあるのだろう。
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艫岩か? |
山頂台地に到着 |
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葉を落とした木々の間から艫岩と思われる小ピークが見えてきた。手すりにつかまって階段を登りつめると笹薮に覆われた山頂台地広がる。ここまでえっちらおっちら登ってきたのに、山麓に戻ったような錯覚を覚える。少々大げさに言えばギアナ高地のテーブルマウンテンと言ったところだ。
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経塚山直下 |
経塚山直下 |
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荒船山の最高峰は経塚山と呼ばれ、ここ艫岩付近から南北に細長い山頂台地の反対側にある小高いピークだ。艫岩を後に回し、まずはその経塚山に向かった。30分ほど歩いただろうか、本当に平らである。こんな時期だから足首ぐらいまで雪があるかと期待して4本アイゼンまで持ってきたのだが、取り越し苦労に終わった。星野峠分岐を過ぎ、経塚山直下5分の急登に申し訳程度に付いているだけだった。
こんな平日には誰もいないだろうと思っていが、経塚山山頂には東京から遠征してきた一組の夫婦がいた。タクシーで内山峠まで入り、帰りは三ツ瀬まで下ると言う。内山コースはアップダウンがあるらしいが標高差が少なく、艫岩を正面にしながら進むので景色の良いメインコースになっているらしい。
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避難小屋 |
艫岩 |
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相沢分岐に戻り、艫岩方面に2〜3分で避難小屋が現れる。その前の広場が艫岩展望地だ。避難小屋は、男女トイレとテラスそして10人は泊まれる建屋から成っている。水場は期待できないが、小奇麗な小屋で快適な一夜を過ごせるだろう。
展望地は北方が開けており、浅間山から谷川岳訪問の峰が連なっていた。残念ながら雲が掛かっており北アルプスは判別できなかった。写真を撮ろうと崖っぷちまで歩んだが手すりも何もない。おっかなびっくりしゃがんで前進した。
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三ツ瀬バス停 |
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帰りは、バス時刻とにらめっこしながらもと来た道を一下り。傾き加減の午後の日差しの中を最後は半ば走るように三ツ瀬バス停にゴールインした。 |