秋田駒ヶ岳から乳頭山
2003.8.13〜14




 <お花畑 乳頭温泉



カミさんの実家、山形に帰省したついでに秋田駒を目指しました。さくらんぼ東根から電車とバスを乗り継いで秋田駒八合目登山口に辿り着いたのは、既に昼下がり。初日は秋田駒山頂付近を散策し阿弥陀池避難小屋に宿泊し、翌日は乳頭山に向けて縦走し麓の温泉に浸かって帰京しました。
高山植物の盛りの7月には大勢の登山者が押しかけるようですが、既にお盆休みとあって人出もピークを過ぎ、静かな山旅が楽しめました。
山行記録
8.13
秋田駒八合目1300−1330片倉公園展望台−1400避難小屋1410−1430横岳−1455分岐−1600分岐1605−1615男岳1620−1640避難小屋1645−女目岳1655−1700避難小屋
JR田沢湖駅の周りにはコンビニ一軒無い。新幹線が開通に伴って改装された近代的な駅ビルは何か場違いの感じがする。それはともかく昼食のおにぎりひとつ買えな無いのには参った。
JR田沢湖駅

駅から乳頭温泉行きのバスに乗り、途中高原温泉で八合目行き始発バスに乗り換える。終着の八合目にはトイレと真新しい避難小屋がある。
ここから山頂までは僅か一時間強。既に昼下がりだが、これから登山するパーティも多い。もっともガスが立ち込めて頂上付近は雲の中、展望は期待できない。
八合目避難小屋 片倉展望台から女目岳

途中、20人くらいの小学生と一緒だった。遅れがちな先生を尻目に子供たちはどんどん進む。一時間位の山歩きでは物足りないのだろう。休憩していても遊びまわっている。
阿弥陀池避難小屋

私はこの阿弥陀池避難小屋泊まり。まだ14時、誰もいない。
特にあても無いが田沢湖駅のギャラリーにあった写真に誘われて馬場の小路を散策することにした。散策といってもコースタイム2時間。八合目からここに辿りつく時間よりも長い。
小屋から横岳へ、横岳から大焼砂をとっとこ下る。周囲は草木も生えない黒っぽい火山礫に覆われ、僅かに盛りの過ぎたコマクサだけが花を付けていた。花のピークの7月にはさぞ見事なことだろう。これ以上の群生は、少なくとも東北には無い。
コマクサだけではない。横長根尾根を右折し、馬場の小路に入るとそこはチングルマの大群生が現れる。
8月の中旬とあって花の主役はトウゲブキややシシウドに代わっているが、その種類・密度とも一級品である。それがバス停から2時間程度歩いただけで目にできるとは......。
加えて、正面に聳える男岳の岩峰が徐々に姿を変えるのも面白い。「神々の箱庭」と呼ばれるのも頷ける。
チングルマの群生
駒池付近から男岳 シシウドの向うに男岳 男岳鞍部

火口壁を辿って鞍部に出、更に尾根沿いに男岳に登った。昔からの山岳信仰の場らしく祠がある。標高は女目岳に譲るが山頂の持つ雰囲気は断然上だろう。早秋空の下、赤トンボが飛び回っていた。
男岳山頂 男岳から金十郎尾根
男岳直下からパノラマ(女目岳、阿弥陀池、横岳、遠方には岩手山、小岳、女岳と続く)

阿弥陀池に戻り、最高峰の女目岳に登る。登山者の踏み荒らしによって山肌は削られ無残な姿。山頂もなにか人工的で殺伐としている。
阿弥陀池 女目岳への登山道 女目岳山頂

阿弥陀池小屋は2001年に改修された木の香溢れる新しい小屋。トイレは別棟で、一階が土間、二階が板敷き。収容は15人程度か?今晩は私の他に夫婦連れが一組の計3人。
水場は横岳方向に僅かに行ったところにある。
避難小屋 二階

8.14
避難小屋510−525焼森530−605湯森山610−640宿岩−715笊森山−740千沼ヶ原分岐805−820分岐−850乳頭山905−910分岐−950一本松1020−1045孫六温泉1200−1210バス停
5時避難小屋を出発。今日は千沼ケ原、更に乳頭山を越えて乳頭温泉に向かう。天気は悪くないのだが、遠望が利くのは早朝だけ。7時を過ぎるとガスが出てきて皆隠れてしまった。それまでの周囲の山並みを下記に3枚掲載する。
横岳から田沢湖 焼森から岩手山 湯森山から秋田駒(女目岳)

今日のコースは距離は長いがアップダウンの少ない快適な道だ。草現状の広い尾根道には随所に小さな湿原やお花畑が現れる。
湯森山下りニッコウキスゲ 熊見平 宿岩

笊森山山頂までくるとガスに加えて風が出てきた。視界は無いし少々不安になったが、今日初めて登山者とすれ違った。先方は田代の避難小屋に泊まったそうだ。気を取り直して、千沼ヶ原に寄り道した。
ここも湿性植物の宝庫でちょうどキンコウカが花盛りだった。分岐にザックを置いてしばし散策。
千沼ヶ原

千沼ヶ原から巻き道を辿り、乳頭山への銃走路と合流する。
乳頭山とは良くつけた名前だ。確かにそれらしい形をしているが、油断は出来ない。今まで楽だっただけに、今日一番の登りだ。特にラスト100mはきつかった。山頂からは360度の展望が楽しめるはずだが、生憎、ガスに隠されて、西方向が望めるだけだった。
ここから黒湯に向けて一気の下りが始まる。気持ちは温泉とビール。
乳頭山
乳頭山からパノラマ(田沢湖、荷葉岳、小白森山、その手前に田代平、避難小屋も見える)




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